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『おつきさまのでんわ』
おつきさまは満月の夜に電話をかけます。
心にそっとつながる電話です。
ひとりで晩ごはんを食べるりすくん。
おじいさんを亡くしたたぬきのおばあさん。
お姉ちゃんとケンカして家出したいぬくん。
でも、その日おつきさまが一番気になった相手は
プチっと切れてなかなかつながりません。
ようやくつながったのは……怪獣でしょうか?
いえいえ、じつは孤独なねこさんでした。
おつきさまは「なみだがとまるまで そばにいますよ」と語りかけます。
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この悩みは誰にも言えない。誰かに言うのも面倒くさい。
そんな投げやりな気持ちになった晩、今はとにかく休みたい…と、見上げた空に満月がいると、少し気持ちが落ち着きます。満月の夜は空も明るくて、ホッとしますよね。
「ひとりではないよ」
おつきさまの光には、安心して眠るゆりかごのような優しさが満ちています。
幅広い世代の方々におすすめの絵本です。
ようふゆか・作
対象年齢:3歳から
ページ数:28ページ
2024年3月