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『おさるはおさる』
南の島にすむおさるの少年は、友だちも家族もみんなおさる。
ところがある日、カニに耳をはさまれ、取れなくなってしまいます。
自分だけみんなとちがうなんていやだなあ…どうしよう。
おじいちゃんに相談に行くと、おじいちゃんは自分にも同じことがあったと教えてくれて…。
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短いことばでぐいぐい引き込んでくれる楽しいお話し。
おじいちゃんの、おじいちゃんの、そのまたおじいちゃんまで、
同じような経験をしている流れに思わず笑ってしまいます。
まわりの人と違うことって、自分はとっても気になりますが、
案外まわりの人はなんとも思ってなかったりして、
気づくと自分でもどうでもよくなっていて、
しばらく経つと忘れてしまっていたりするんですよね。
かにみみざるになろうが、たこしっぽざるになろうが、わたしはわたし。
おじいちゃんのちょっと抜けた語りで、ほっとできる一冊です。
いとうひろし・作/絵
ページ数:86ページ
対象年齢:小学1年生から
1991年12月