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『おじいちゃんの木』
子ザルのモンちゃんは歌いながら自転車をこぎます。
「おじいちゃんの おじいちゃんの
おじいちゃんに あいに いくんだよ」
からかわれても気にしません。
そして一本の大きな木にたどりつきます。
「げんきで なによりだね」
とモンちゃんに声をかけたのは…。
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詩のような文体で語られる本作。
シンプルでやさしいことばはダイレクトに届きます。
モンちゃんが小さいながらに感じている自分のルーツ。
おじいちゃんの、おじいちゃんの、おじいちゃんからつながっている自分。
そして、こどもの、こどもの、こどもまでつながっている自分。
悠久の感覚。
そんな素敵な感性がこどもにも伝わるように、
一本の木で表現されている名作です。
名作なのですが、絶版のようなのです…。
ぜひ図書館で手に取ってみてください。
内田鱗太郎・作 村上康成・絵
対象年齢:3歳から
2004年5月