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『きょうりゅうの かいかた』
まきととめぐみは動物が大好き。
ある日、お父さんが、なんときょうりゅうの子どもをもらって帰ってきます。お父さんは2人にいいます。「ふたりでちゃんとかうんだよ」
ふたりはまず、きょうりゅうに「どん」と名前をつけます。
それから、体のサイズを測り、家を建てたり、トイレの穴を掘ったり、食べるくさを集めたり、お風呂に入れたり…。 お友達や、お百姓さん、大工さん、色々な人たちに協力してもらい、きょうりゅうを飼う環境が整っていきます。
だけどある時、どんの元気がありません。一体どうしたのでしょう…?
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タイトルからわくわくする本書。
目の前に現れたひとつの命と真剣に向き合い、力を尽くすまきととめぐみ、
そしてそんなふたりに協力してくれる町の人たちが素敵です。
言葉が通じない動物が相手だと、分からないこともたくさんあります。
きょうりゅうと触れ合う姿を見ることで、生き物を飼うことはどういうことなのか疑似体験できるのが良いですね。
たくさん観察をし、その生き物のことを理解すること。学ぶこと。詳しい人を頼ること。それはきょうりゅうに限ったことではありません。
そして、やぶうちさんの絵が大変細かく、綺麗です。恐竜の皮膚の感触を出すために、ペンでしわを細かく描き、そこへ水彩で色をつけ、下絵ができたらペンで細部を仕上げるという画法だそうです。驚き!
くさのだいすけ・著 やぶうちまさゆき・絵
ページ数:48ページ
対象年齢:4歳から
1983年11月