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『よかったなあ』
葉っぱや、花、草や木や動物たち。
そこに「ある」ことや、そこに「いる」のがあたりまえだと思っている…。それらすべてに「よかったなあ」という言葉をなげかけるまど・みちお。
あずみ虫の絵が、その言葉のひとつひとつと響き合う。
没後10年を記念して刊行が続く「まど・みちおの絵本」シリーズの一冊。
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よかったなあ 木や草が
ぼくらの まわりに いてくれて
目のさめる みどりの葉っぱ
美しいものの代表 花
かぐわしい実
よかったなあ 草や木が
何おく 何ちょう
もっと数かぎりなく いてくれて
どの ひとつひとつも
みんな めいめいに違っていてくれて
よかったなあ 草や木が
どんなところにも いてくれて
鳥や けものや 虫や 人
何が訪ねるのをでも
そこで動かないで 待っていてくれて
ああ よかったなあ 草や木がいつも
雨に洗われ
風にみがかれ
太陽にかがやいて きらきらと
この詩に寄り添うように、筆の勢いを感じる瑞々しい絵の具の色、アルミ板を使った立体感のある独特な画法で自然が描かれます。
ひとつの存在も当たり前ではないことをあらためて感じ、視線を高く上げてくれる美しい一冊です。
まどみちお・詩 あずみ虫・絵
ページ数:32ページ
対象年齢:5歳から
2024年7月