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我が家の絵本棚📚

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年間300冊以上児童書を読む中で、素敵!と思った本をご紹介します。
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2025年1月の記事一覧

『あっぷっぷ』

「にらめっこしましょ あっぷっぷ!!」 ママも赤ちゃんも思わずぷははは。 大きな判型でとっても迫力があります。 シンプルで洗練された構成と絵は親子で楽しめる赤ちゃん絵本です。 あっぷっぷって語感として完成度が高いですよね。 赤ちゃんでも言える。誰でも知っている。言い終えたらじっと堪えないといけない感じがする。不思議な言葉です。 この本はその「あっぷっぷ」と「わはは」が繰り返されるリズム感が秀逸。ぜひ小さなお子さんと楽しんでいただきたい一冊です。 中川ひろたか・作 村上 康

『まあちゃんのながいかみ』

おかっぱ頭のまあちゃんは、長い髪のはあちゃんとみいちゃんに、自分はこれから、もっとずっと長く髪を伸ばすんだと自慢します。 吊り橋の上からおさげをたらして魚が釣れるくらい。 おさげの投げ縄で牧場の牛をつかまえられるくらい。 シャンプーしたら雲まで届く大きなソフトクリームになるし、 洗った髪は妹10人がとかしてくれる……。 まあちゃんの空想は大きく広がります。 次々と愉快な想像を繰り広げるまあちゃんが素敵。 それを真剣に聞いてくれるはあちゃんとみいちゃんも素敵。 とにかく絵が可

『よかったなあ』

葉っぱや、花、草や木や動物たち。 そこに「ある」ことや、そこに「いる」のがあたりまえだと思っている…。それらすべてに「よかったなあ」という言葉をなげかけるまど・みちお。 あずみ虫の絵が、その言葉のひとつひとつと響き合う。 没後10年を記念して刊行が続く「まど・みちおの絵本」シリーズの一冊。 この詩に寄り添うように、筆の勢いを感じる瑞々しい絵の具の色、アルミ板を使った立体感のある独特な画法で自然が描かれます。 ひとつの存在も当たり前ではないことをあらためて感じ、視線を高く上げ

『うんちの正体 菌は人類をすくう』

ウンチやおならやヘソのゴマ。 ヒトの体のくさいにおいを調べると、それはすべて菌のしわざのようだ。 よく調べてみると、ヒトの体の具合や、心にまで大きな影響をあたえているということが分かった。 だれもが気になるウンチの正体――菌とヒトのふか〜い関係にせまる! 世界は広い。 60人のおへそから2,368種類の菌が出てきて、うち1458種類は新発見だったりする。うんちからバニラのにおい成分を抽出することに成功していたりする。無重力空間での異臭の処理を解決したり、他人のうんちで病気を

『カラスのいいぶん 人と生きることをえらんだ鳥』

いちばん身近な鳥であるカラス。 ごみを散らかす、うるさい、黒くて大きくて怖い…。 でも、カラスにも言いたいことがあるみたいです。 なわばりあらそいのきびしさ、子育ての苦労など、 実は知られていないカラスの生活をほりさげます。 嶋田さんがカラスの生態を学んだり、実際に観察した様子が描かれている本書。読み終えるとなぜかカラスが好きになる不思議な本です。 それくらいカラスの生態は過酷であり、合理的であり、魅力的です。 相手の立場に立つことは人間同士でなくても効果的。 カラスの魅

『100にんのサンタクロース』

ここは100にんのサンタクロースがすむまち。 サンタたちは、1年間かけて特別な日「クリスマス」にむけて準備しています。 プレゼントを配るおうちの地図をつくったり、クリスマスツリーや野菜や果物を育てたり、素敵な星空をつくる練習をしたり。 それはもう、100人みんなが大忙しなのです。 そして、プレゼントを配り終わった後には、サンタたちだけの楽しみが! 100にんのサンタさんはそれぞれに役割があり、個性があるのが魅力的。 なんと人気投票までやっていたのです。みんなかわいい。 サ

『きょうがはじまる』

きょうはなにをしよう?  どこへいこうかな?  そのまえにふくをえらばなきゃ!  朝のめざめから、夜ねむりにつくまで、 毎日おとずれるあたらしい一日。 それぞれの子どもたちにそれぞれの一日があり、 明日が待っていることに幸せを感じられる絵本。 図書館で借りてきて、我が子が大変にハマった一冊。 読む度にアイス屋さんに行くと言ってきかないのですが。笑 毎日おとずれる新しい一日が、 晴れの日も、雨の日も、こんなにも色んな可能性を秘めているなんて! ページをめくるたびに、たくさんの

『しろくまのパンツ』

自分のパンツがどこへいったのか分からなくなってしまったしろくまさん。お友だちのねずみさんと一緒にパンツを探しに行きます。 しましまパンツや花柄パンツを巡りながら、 「これかな?」「ちがうなー」を繰り返し… ラストはおとなでもびっくりな展開! まず本がパンツをはいているのがたまらなく可愛らしい本書。 しろくまさんのパンツを脱がせて物語がはじまります。 出版社のサイトを見ると… だそうです。知らなかった…! 個性豊かなパンツとその持ち主たち。 もちろんしろくまさんのパンツだ

『いたい いたいは とんでいけ』

いたいいたいは、むこうのお山へとんでいけ… 誰でも知っているわらべうたの絵本です。 よく口にする「いたいのいたいのとんでゆけ」の ”いたいの”は、飛んで行ったあとどうなるか知っていますか? なんとうさぎさんがキャッチしてあれよあれよという間に ふわふわのお布団にしてしまうのです。 これで泣いていた子もにっこり。ほっこり。 口に楽しいわらべうた。繰り返しこどもに聴かせたい詩です。 松谷みよ子・文 佐野洋子・絵 対象年齢:1歳から ページ数:20ページ 1977年9月

『いい一日ってなあに?』

ダニエルに、近所のみんなが「いい一日を!」と声をかけてくれます。 「いい一日って、なんだろう?」 ダニエルは、いろんな人にたずねてまわることに。 庭仕事をしている人にとっては花にとまったミツバチを見つけた日、 ケーキやさんにとっては誰かの誕生日、 ダニエルのおばあちゃんにとってはダニエルがハグしてくれた日! 最後にダニエルはみんなのいい日でいっぱいの、すてきな詩をつくります。 ダニエルも、町のみんなも、素敵な感性で日々のなかにあるシンプルな幸せに気づかせてくれます。 それ

『あさになったのでまどをあけますよ』

あさになったのでまどをあけますよ   やっぱりそこにいて やっぱりここにいる だからぼくはここがすき それぞれの目覚めと様々な風景。それは”自分”の風景。 その場所と、そこにいる自分を全肯定するような安心感。 この本の企画段階で東日本大震災が起こり、作者の荒井さんがその後のワークショップを通じて感じたことが表現されているそう。 世界と自分がそのままで繋がるような気持ちになれる本です。 新井良二・作 ページ数:32ページ 対象年齢:3歳から 2011年12月 2012年

『きょうりゅうの かいかた』

まきととめぐみは動物が大好き。 ある日、お父さんが、なんときょうりゅうの子どもをもらって帰ってきます。お父さんは2人にいいます。「ふたりでちゃんとかうんだよ」 ふたりはまず、きょうりゅうに「どん」と名前をつけます。 それから、体のサイズを測り、家を建てたり、トイレの穴を掘ったり、食べるくさを集めたり、お風呂に入れたり…。 お友達や、お百姓さん、大工さん、色々な人たちに協力してもらい、きょうりゅうを飼う環境が整っていきます。 だけどある時、どんの元気がありません。一体どうしたの

『ようかい ばぁ』

ぼくたちと いっしょに あそぼう! ほら、ようかい・・・ばあ 「いないいない ばあ」の要領で 色々な妖怪が「ようかい ばあ」と登場します。 描かれた絵ではなくフェルトや布で作られた切り絵も魅力的。 ちょっとこわいかも? でもこわすぎず、親子で一緒に楽しめます。 そらとぶえんばん:作 ページ数:36ページ 対象年齢:0歳から 2015年8月

『きょうの シロクマ』

シロクマとアザラシの攻防戦。 食べるか?食べられるか? シビアな自然の一幕をユーモラスに描きます。 はらぺこのシロクマがアザラシを見つけます。二頭もいる! 行こうか… やめておこうか… やめておくフリをしようか… いっそ寝てしまおうか… 優しいタッチで描かれるちょっぴり切ない光景。 過酷な自然界でつぶやくシロクマの独り言には、 思わず人間界の私たちも共感してしまいます。 うまくいったりいかなかったりしますよね。 今日はだめでも明日はうまくいくかも。 そんな風に思わせてくれる