UKハードコアのリードの個人的な作り方【UECDTM Advent Calendar】

どうも、初めまして。普段UKハードコアモドキを作っているMoviika(モナカ或いはモヴィィカ)と申します。

Noteというかブログを書くのが初めてです。仕様が分かりません泣。

この記事では、タイトル通りUKハードコアのリードの作り方を個人的な経験も踏まえて紹介したいと思います。本当は曲全体について書くつもりでしたが時間が無いので断念しました。ユルシテ…

※この記事はUECDTM Advent Calendar 2022 12/17の記事です。

※ここでは主にFL Studioでの作業を想定して解説しています。FL使い以外は適宜脳内補完して下さい(カス)。

リードのレイヤー

個人的にLeadsのレイヤーは大きく分けてCharacter系Saw系の2種類に分類できると考えています。そしてどちらも欠けてはいけない要素です。

Character系:リードの主役となる部分です。DistortionのかかったSawや、FM変調を掛けたSquare等全体で鳴った時に「個性」を発揮したり芯となったりする部分です。
Saw系:Character系以外のSupersawです。Character系の個性を支えたり、高音域を中心に幅広く帯域をカバーする部分です。

私はそれぞれ2~3種類ずつ(計4~6種類)をレイヤーしています。

Character系

リードの主役となるので、Saw系のレイヤーに比べて倍音が複雑な事が多いです。複雑な倍音であるほど特徴的なリードになります。そして、Character系の音はピッチベンドさせる事でより存在感を際立たせる事が出来ます。
また、リード全体に厚みを持たせるためにCharacter系のレイヤー1つ~2つにSubOscを入れて200Hz辺りまで音が出る様にします。
また、音が複雑になりすぎるのでdetuneはあまりかけない方がいいかもしれません。(異論は認める。)

私は普段はCharacter系のレイヤーにはSquareベースのレイヤーを使う事が多いです。下にCharacter系のレイヤーの例を置いときます。

Character系その1。SquareにsawのFM変調+CombFilter。特に何も考えてない。



Character系その2。Squareを高速で揺らしている。とあるプリセットの真似。


この2つを合わせるとこうなります。

Saw系

基本的にはCharacter系のレイヤーの補助の役割となるので低い部分は300~400Hz程度で主に2kHz以上の高帯域をカバーする感じの音を使います。
また、サブメロ(ハモり)要素はこのレイヤーを使うとリード全体の音圧を下げずに済みます。ハモりをする場合はこのレイヤーはポリフォニックにします。(PCの性能的に問題が無いなら鳴らす音の数だけシンセを立ち上げても良いと思います。)

下にSaw系のレイヤーの例を置いときます。


Saw系その1 1オク高い音が足された感じのやつ


Saw系その2 すごくオーソドックスなSupersaw

合わせると

そして、Character系とSaw系を合わせるとこの様になります。

各レイヤーのエフェクト

基本的にはCharacter系、Saw系両方下のスクショの様にエフェクトを挿すことが多いです。
個人的なポイントは、2kHz以下でCharacter系、それ以上ではSaw系が目立つように調節する事です。

SAUSAGE FATTENERの部分はCamel Clusherを使うこともあります。

空間系エフェクト・微調整

下の図は空間系エフェクトのセンド構成図です(字汚ッ!)。左から順に解説していきたいと思います。

Delay

まず、先程まとめたレイヤーを1つのトラックにセンドして全体の微調整(EQ, サチュレーター等)をした後にディレイを挿します。ここでディレイを挿す事で、でサイドチェインリバーブの立ち上がりがより自然な感じに「フワッ」とします(語彙力)。
下のスクショはリード全体のラックです。私の場合はディレイの音像をぼやけさせたいのでPatcherを使ってウェット成分にコーラスを掛けています。

Insert70~73が各レイヤーです。Patcherの中身はディレイとコーラスです。

Reverb

ディレイの処理が終わったらリードをドライ・ウェット成分に分けてセンドします。そうする事でサイドチェインリバーブがやりやすくなります。

下のスクショはウェット成分のラックです。リバーブはMix100%でDecayを7~8秒程度に設定します。そして、リバーブも濁らせたいのでMagic Switchを挿しています。そしてEQで不要な帯域を削って、Spectre,OTTで微調整しています。

Valhalla RoomとFruity Limiter以外は大体適当です。

そしてFruity Limiterのコンプ機能でサイドチェインしています。サイドチェイン元のトラックはリード全体のラックから引っ張ってます。

Threshold,Ratioはここでは-37dB,11:1になってますが、実際は全体を聴いて調整して下さい。Releaseは大体470msとなっていますが、既にかかっているディレイのおかげで数値よりゆっくり、そして「フワッ」と立ち上がります。

リバーブ処理を終えたら、ドライ成分とウェット成分をまた別のトラックにまとめてセンドします。そこでLFOTools等でダッキングしたり、GrossBeatを掛ける等、曲の展開上の演出用のエフェクトを挿します。

ここまでの処理を全て行うとこのようになります。

そしてここにドラムやベース等他のパート入れるとこの様になります

最後に

いかがでしたか?あくまで個人流ですが、大まかなUKハードコアのリードの作り方が分かったのではないでしょうか。UKハードコアのリードの作り方は人それぞれですが、これが1つの指針となればと思います。

最後に個人的にオススメなUKハードコアのTutorialを紹介して終わりたいと思います。ここまで読んでくださってありがとうございました。

次回(18日)は、どいさんが推し語りの森について話して下さるそうです。たのしみですね!

オマケ:オススメのTutorial

日本語で分かりやすい解説動画です。


UKハードコアの有名なアーティストによる解説動画です。英語に自信のある人は是非。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?