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シン・ウルトラマンに予習はいらない

公  開:2022年
監  督: 樋口真嗣
上映時間:112分
ジャンル:SF/アクション
見どころ:巨大化した長澤まさみ

カラータイマーのないデザインは渋くていいですメ~

「シン・ゴジラ」で圧倒的な映像と、世界観を打ち出した庵野秀明。

企画・脚本庵野秀明、樋口真嗣監督によって作られた「シン・ウルトラマン」は、シン・ゴジラほど尖ってはいませんが、ウルトラマンを知らない方や、興味がない人であっても楽しめる作品となっています。

冒頭がウルトラQだ、とか、でてくる怪獣がというのはありますが、特に内容とは関係ないので、旧ウルトラマンを予習する必要もありませんので、気軽に見ていただければと思います。

「シン・ウルトラマン」は、シン・ゴジラの時からも使われていた技法が援用されており、テンポの良さと、アニメのような面白い構図の連続によって飽きさせない作りとなっています。

それを支えるのが、早見あかりや長澤まさみといった、コメディエンヌといっても差し支えないほど、強い演技を違和感なくできる女優陣の力が大きいところです。

特に、巨大化した長澤まさみなんかは、特定の趣味の人間を狙い撃ちしていそうな気もしますし、遊び心も満載となっているように感じるところです。

庵野作品ではよくあることですが、肩書などが一瞬でてきて、読み切れない、というものがあります。

セリフが早口でよくわからないと感じる人も非常に多くいると思いますが、本作品は、2回みた時に、以前まるっきり聞き取れなかった言葉が頭に入るようになって驚いたりする楽しみ方もあったりします。

作品の内容としても、山本耕史演じるネフィラス星人の、丁寧なしゃべり方なのにどこか非人間的な演技

その前にでてきたザラブ星人との対比もあって、ネフィラス星人がいかに地球についてよく知っているかがわかります。

比較的早口で、棒読みとなっていることで、演技というよりも演出で進めていく方法は、シン・ゴジラ譲りの面白さといえるでしょう。

また、物語の冒頭は特に、カイジュウに対する皮肉というか、つっこみも多く、特撮作品という違和感を中和するやり取りが盛り込まれているのも面白いところです。

作品内において、歴史上でもカイジュウがいるということにリアリティを与える意味でも、物語の冒頭から、日本と巨大不明生物との戦いの歴史が描かれており、我々の生きる世界とは別のセカイとして違和感のない導入部となっています。

怪獣とウルトラマンが戦う映画というよりも、やはり、シン・ゴジラのように、ウルトラマンやカイジュウという存在、外宇宙からくる別星人とのやり取りといったところから、ウルトラマンがなぜ地球を守るようになったのか、という点を楽しむ作品とはなっており、政治的な主張なども強くないため、素直に新たなウルトラマンとして楽しむことができます。


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