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ハンニバル・レクターを捕まえた男。映画「レッド・ドラゴン」
公 開:2002年
監 督:ブレット・ラトナー
上映時間:124分
ジャンル:スリラー/犯罪
見どころ:拘束具を付けながらの、お散歩
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前日談を語る作品というのは色々ありまして、有名どころでいえば「スターウォーズ」なんかは、エピソード4からはじまって6で終わり、、また1から始まるという作りとなっています。
人間の臓器を食べる犯罪者ハンニバル・レクター博士で知られる「羊たちの沈黙」ですが、一作目の製作から11年後にも関わらず、10年後を描く「ハンニバル」、そして、前日談にあたる「レッド・ドラゴン」が作られています。ちなみに「ハンニバル・ライジング」なんかも作られており、こちらは、レクター博士の青年期が描かれてます。
ハンニバル・レクター博士といえば、画面に映っている時間そのものは長くないにも関わらず、印象に残って離れない人物です。
地下の牢獄に捉えられているにも関わらず、わずかな情報から異常者の心理を見抜いてしまう洞察力と、それを聞きに来ている捜査官の内面まで入り込む恐ろしさが、アンソニー・ホプキンズの怪演と相まって、異様なキャラクターを生み出しています。
そんなレクター博士が、捕まった時から始まるのが「レッド・ドラゴン」となっています。
狡猾で大胆。そんな人物が、なぜ捕まったのか。
「レッド・ドラゴン」は、前日談ものとして抜群の面白さを誇っています。
エドワート・ノートン演じる主人公が、ハンニバル・レクターと一緒に難事件を解決していたということがわかりつつ、実は、その相棒こそが犯人だったというところから始まるのは、美味しいところをあっという間に口に詰め込んでくれるような親切設計となっています。
一度は引退した刑事が、自分が逮捕したレクター博士に、猟奇殺人の考えを聞きに行くしかないという葛藤。どうして捕まえられたのか、という説得力にもつながるその人物像は、その捜査手腕も含めてぞくぞくします。
話は逸れますが、安楽椅子探偵といえば、現場に行かなくても事件を解決してしまう探偵のことを指すわけですが、レクター博士は、牢獄の中から出なくても、犯罪を起こしてしまう筋金入りの悪です。
アメリカ映画の悪役ベスト50において、堂々の一位をとっているのも、頷けます。
ちなみに、物語のラストでは、1作目へ誘導する見事なセリフがあって、ついつい「羊たちの沈黙」も続けて(計242分)で見てしまうので、お気をつけを。