【映画の余韻】グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち
グッドなウィルハンティングの誕生!
※ネタバレしています
虐待やDVを受けると、自分を責めてしまう精神状態になると聞く。過去の虐待が無意識でも根深く残っていて、対人関係においてつい警戒・牽制・攻撃的になってしまうウィルの事をロビンウィリアムズが奥底まで理解し、土足でこじ開ける事なく徐々に心をほぐして、最後に「君のせいじゃない」と何度も繰り返し核心に迫る。
ロビンウィリアムズが先に心を開く事で、少しずつ笑顔を見せて、なんだかんだでセラピーに現れるマットデイモンとの心の触れ合いの様子が温かくてとても良かった。「あの子は良い青年だ」としっかり言ってくれるロビンウィリアムズの事を、ウィルはどれだけ嬉しく感じただろう。
幼少期の愛情が精神衛生に与える影響力の大きさを感じた。スカイラーが泣きながら愛情をまっすぐぶつけてくれても、いつか捨てられる恐怖が根付いているウィルは、愛情を素直に受け取れずはねのけてしまうし、すごく好きなのに伝えられない。
印象に残ったのは、ロビンウィリアムズを知ったように口走り傷つけてしまったウィルに対して、「君にシスティナ礼拝堂の匂いは語れないだろう」と語るロビンウィリアムズの台詞。どれだけ賢くても、学び知識を莫大に得て経験したかのように語れても、システィナ礼拝堂の匂いや大好きな人が朝起きて側に寝ている幸福感など、心に訴えかけてくる物は経験しないとわからない。逆に言うと、わかってもらいたいと思ったら、怖がらずに自分の口で気持ちを伝えなければ理解して貰えないよ、というもの。
個人的には、「不完全でもお互いにとって完全ならいいんだ」という台詞が心に響いた。
作品の中でも、マットデイモンとベンアフレックの友情が現れていて良かった。
愛情を信じる事が出来るようになった、グッドなウィルハンティングの誕生です。
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