今こそみるべしパンク映画【爆裂都市 BURST CITY】
これは暴動の映画ではない。映画の暴動である。
このコピーに相応しく、本作は近未来都市を舞台にしたパンクバンド、ギャング、ポリス、下層民が入り乱れて大激突する、伝説的パンク映画の金字塔だ。
その混沌とした活気に満ちた衝撃を独自の作風でエネルギーをとらえているが、その物語の筋書の通り、映画を頭で理解するのは困難である。
監督の石井聰亙(現:石井 岳龍)は、本作について以下のようにコメントしている。
監督は石井聰亙、脚本は石井聰亙と秋田光彦、撮影は笠松則通と「狂い咲きサンダーロード」のスタッフがそれぞれ担当。1981年10月~翌1982年1月にかけ埼玉県川口市で撮影が行われた。
世界からもたらされたパンクの衝撃は福岡に直撃し、サンハウスを始め、独自の音楽シーンが作られていた。その主要バンドである、ザ・ロッカーズ、ザ・ルースターズは日本を席巻していた。
ザ・ロッカーズの陣内孝則&鶴川仁美、ザ・ルースターズの大江慎也&池畑潤二の他、ザ・スターリンの遠藤ミチロウ、タム、杉山晋太郎、乾純、INUの町田町蔵(現:町田康)などが出演している伝説の映画。
また、死土役にシド・ヴィシャスをイメージした伊勢田勇人がオーディションで選ばれた。
爆裂都市 BURST CITY(1982年)
本作「爆裂都市 (BURST CITY)」の音楽は出演とともに、ロッカーズとルースターズのメンバーによる、バトルロッカーズを結成し、オリジナル楽曲を提供。
映画の企画ならではの奇跡的な組み合わせによるこの架空のバンドは、ロッカーズとルースターズが見事に融合したかのような凄まじいまでのテンションが高い楽曲の数々をつくりあげた。
主題歌でもあり、オープニング開けにそうそうとステージを彩る名曲「セル・ナンバー8(第8病棟)」は、高速ギターとハープからイントラからはじまる、病みつきになるキラーチューンは本作のハイライトだ。
また、ルースターズの他メンバーも別ユニットである1984として、サウンドトラックにも参加している。花田裕之、井上富雄、池畑潤二の3人からなるインストバンド。基本は大江抜きのルースターズにプロデューサーの柏木省三を加えたプロジェクト。1984による3曲「ソルジャー」「Sorrow」「キックス」が映画の要所に使用されている。
他にも、バトルロッカーズ名義のオリジナルソングが数曲収録され、ロッカーズ、ルースターズ、スターリン、INUなどの音楽も使われており、一部楽曲が除かれているが、本作のサウンドトラックは時を超えた格好よさを誇る必聴アルバムとなっている。
noteではパンク映画を紹介。
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