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今こそみるべしパンク映画【ROCKERS 完全版】

本作は、タイトルや制作の時期が重なっているのでややこしいので、他のタイトルと混合しないように注意書きとして記しておくが、日本パンクロック史の重要ムーブメントの1つ、1979年製作の東京ロッカーズを描いたドキュメンタリーだ。

キングストンを舞台にした数々のレゲエ文化を名曲とともに捉えた1978年のジャマイカ映画「ROCKERS」でもなければ、本作と同時期のめんたいロックを描いた2003年の陣内孝則監督の自伝的映画「ロッカーズ ROCKERS」とは別物。

1970年代半ばから後半にかけて英米で勃発したパンクの衝撃は日本にも飛び火し、1978年、東京のインディーズシーンに衝撃を与えた伝説のムーブメント、東京ロッカーズを生んだ。失速した日本のロック・シーンを自らの手で打破するためにミュージシャンたちが集結し、その軌跡を追ったもの。

さらに、1989年に発売されたビデオ版ではカットされていた、ロンドンパンク5大バンドである、ストラングラーズの来日時ライブを加えた完全版である。

ROCKERS 完全版(2008年)

IMDb公式サイトより

1978年7月から8月、東京・六本木の貸しスタジオであるS-KENスタジオで開催されたイベントBlow Up 東京ロッカーズ GIGを中心に活動していたバンドの総称が東京ロッカーズの名前の由来する。

1979年3月、新宿ロフトで開催されたライブ「東京ロッカーズ LIVE RECORDING」を開催。

1979年4月、そのライブを収録したオムニバスアルバム「東京ROCKERS」がにリリース。

同アルバムの発表と彼らの活動は大きな話題となり、新たなムーブメントの誕生として、音楽専門誌だけでなく多くのメディアが取り上げ、衝撃を与えた。

その代表的な5バンドは、リザード、フリクション、MIRRORS、ミスター・カイト、S-KENであり、映画では、東京ロッカーズのギグを中心に、同じ時期を疾走したPAIN、SPEED、SS、自殺、81/2といったバンド、来日したストラングラーズのライブも収められている。

それから40年あまりが過ぎ、東京ロッカーズは伝説となったが、今なおその衝撃は色あせない。東京やロックンロールについて思いを吐露しているインタビューも収録。ムーブメントの中核を担ったバンドのライブシーンやメンバーへのインタビューをはじめ、当時のシーンを盛り上げたバンドの数々といったレアな映像が満載。

本作を監督したのは、RCサクセション、BOφWY、ラフィン・ノーズなどのライブやPVを制作した、日本のロック・シーンを撮り続けた津島秀明。

なお、ストラングラーズは1974年結成、1970年代のパンク・ムーヴメントから台頭して以来現役バンドとして活躍を続けるレジェンドである。

本作では、1stアルバム「Rattus Norvegicus(1977)」から「Hanging Around」、3rdアルバム「Black and White (1978)」から「Death and Night and Blood」の2曲がライブとして収録されている。

noteではパンク映画を紹介。

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