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今こそみるべしパンク映画【地獄に堕ちた野郎ども】

真のパンクバンドだ

ピストルズ、クラッシュと違い政治的なメッセージや怒りはない

芸術家、アーティスト気取りの変なバンド

地獄に堕ちた野郎どもより

映画冒頭、ザ・ダムドはこのように紹介される。

他にも、音楽の多様性やバンドメンバーの入れ替えが激しいことで知られ、複雑な確執により、脱退と復帰のメンバーチェンジが繰り返されるものの、いまだオリジナルメンバーが残る現役のバンドであり、その経緯は本作の見所のひとつである。

映画の途中、パンクがなくならない理由について、ギターを買っても難しい音楽はできないけど、パンクならできる。入門用の音楽として残っていると語っているのと重なるように、ダムドもなくならないのだ。

本作は、セックス・ピストルズ、ザ・クラッシュと共に、ロンドン3大パンクとして、1970年代後半のパンクを牽引したバンドであるダムドの初となるドキュメンタリー。

地獄に堕ちた野郎ども(2015年)

IMDb公式サイトより


1975年、ダムドが結成してから、ピストルズやクラッシュの影に隠れながら、同世代のバンドとして、初めてシングル「New Rose(1976)」、アルバム「Damned Damned Damned(1977)」をリリースし、アメリカでツアーを行った最初のバンドであった。

それにも関わらず、彼らはコンプレックスは抱いており、クラッシュ、ピストルズのように世界を変えていない、居合わせただけと嘆いており、オリジナルメンバーも早死にしていないとも漏らす。

オリジナルメンバーのギターリスト、ジェイムス・ジェイムスは、2ndアルバム「Music for Pleasure(1977)」までのほぼすべての楽曲を、ウィルコ・ジョンソンとジェームス・ウィリアムソンをモーフィングして作り上げた天才。1977年末に脱退。

かつてザ・ダムドのベーシストを務めていたキャプテン・センシブルは、3rdアルバム「Machine Gun Etiquette(1979)」の時期にギターに転向し、パンク界のジミヘンと絶賛された。赤いベレー帽、白フレームのサングラス、ストライプのシャツなど、派手な衣装に身を包んだ特徴的な外見で知られる。

パンク界のキース・ムーンともいえるラット・スケイビーズであったが、1995年に脱退。

フロントマンは、ゴスに先駆けたヴィジュアルでヴァンパイアに扮する謎に包まれたシンガー、デイヴ・ヴァニアン。

モーターヘッドのレミー、カルチャー・クラブのジョン・モスが短期間参加していた。

本作は、モーターヘッドのレミー・キルミスターのドキュメンタリー「極悪レミー」ウェス・オーショスキーが製作費を全額負担し、監督・製作・脚本・撮影・編集を手がけた。

そして、この映画の続きをみているように、2022年10月、ダムドのオリジナルメンバーがロンドンで1991年以来30年以上ぶりとなるのライブを行い、パンク史上最も長く続いた確執の1つに終止符を打った。

「やったぞ!誰も死ななかったぞ!」とキャプテン・センシブルは初ライブの終わり近くに笑いながら語った。こんなにも愛すべきバンドは他にいるだろうか、いや滅多にいないだろう。

noteではパンク映画を紹介。

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