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今こそみるべしレゲエ映画【ルーツ・ロック・レゲエ】

本作は、ドキュメンタリーでありながら、当時のジャマイカにおけるレゲエのバックグラウンドを知ることできる、資料的な価値もある作品。ジェレミー・マー監督。

映画の舞台は、1977年のジャマイカの首都キングストン。当時のジャマイカでは、新聞よりもレゲエの方が思想が伝わると言われた由縁ともなっている様子が描かれる。

コンクリート・ジャングルと歌われた首都のスラム化したゲットー(居住地区)の事情から誕生した音楽であり、政治の選挙キャンペーンソングにレゲエが用いられ、レコード工場での制作やレコード店鋪での販売、DJ文化のルーツとなったダンスホールでのパーティなどの場面を映し出す。

ジャマイカの生活に深く密着したレゲエが習慣、政治、宗教にまで深く浸透している様子が伝えられる。

作品には、ボブ・マーリーの他、世界的なレゲエミュージシャンであるジミー・クリフ、リー“スクラッチ”ペリー、Uロイ、サード・ワールドなど伝説的なアーティストが多数出演している。

ROOTS,ROCK,REGGAE 〜ルーツロックレゲエ〜(1978)

Filmarksより

レゲエが生まれた背景として、ジャマイカが虐げれてきた歴史の中における過酷な状況からの脱却、アイデンティティーを取り戻すことを主張するために誕生したとされる。

広く多くの人へ届けるためにメッセージ性を優先して伝えられるようにして、ゆるめのドラムとベースのリズムにおけるグルーヴが重要視される音楽。

また、特徴的なのがジャマイカにおけるルーツミュージックとしてラスタ思想、そしてバイブルや英雄してハイレ・セラシエをJAHとして崇めていることも欠かせない。

そのレゲエにおける本質は、本作をみれば明確になるが、ここでは重要となる肝の部分をピックアップしたい。パンクと同様、根底に流れるレベルミュージックであることがよくわかる。

レゲエとはジャマイカという島とその黒人文化のことだ
島ではみんなが競って音楽を作る
この国は貧しく若者の失業率が高いチャンスを逃したら二度と訪れない
オープニングより

おれは貧民の抑圧を歌詞にする
そして時には戦争や愛について歌ったりするんだ
それがレゲエと呼ばれる音楽の真髄だと思う
ジミー・クリフより

ボブ・マーリーの音楽はゲットーを超え
多くのアーティストが信仰するラスタファリズムを世に広めた
ラスタは奴隷にされる前のルーツをたどっている

故郷のアフリカに帰るのが望みだ

文化的な独立を目指す
ラスタファリズムは1930年代のマーカスガーベイの発言がきっかけとなった
彼らの黒人のルーツを説き誇りを目覚めさせた

ラス・マイケル&ザ・サンズ・オブ・二ガーズはエチオピアンスタイル
黒人のアイデンティティーやバビロンの追放
そして祖国へ戻る願望を歌っている

黒人は皆エチオピア人だ、エチオピアへ帰る
ラスタファーライ
それが信じる道

表にでないアーティストであるアビシニアンズ

エチオピア王 ハイレ・セラシエは現代神とされ、JAHと呼ばれる
1966年にジャマイカを訪れ熱烈に歓迎された
アビシニアンズの曲で歌われている
映画内ナレーションより

ROOTS,ROCK,REGGAE 〜ルーツロックレゲエ〜

noteではパンク・レゲエ映画を紹介。

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