今こそみるべしパンク映画【シーナ&ロケッツ鮎川誠~ロックと家族の絆~】
本作は、シーナ&ロケッツのドキュメンタリー映画。1978 年の結成以来、国内外のミュージシャンとの交流も深く、欧米での評価も高い抜群の存在感を誇り、ファンとの距離が近く不動の人気により愛されてきた夫婦バンド。
特にギタリスト鮎川誠の揺るぎないロック信仰、哲学、教養により、ロックを愛し、ブレずに生き続けた生涯が映画に収められている。
鮎川が崇拝するロックレジェンド
・ウイルコ・ジョンソン
・マディ・ウォーターズ
・イギー・ポップ
・エディ・テイラー
・アルバート・キング
・ブルース・ブラザーズ
・ミック・ジャガー
また、鮎川が愛したもうひとつの宝物であるのが家族。バンドのヴォーカル、妻、3人の娘の母親であったシーナとつむいだ温かい家庭での仲睦まじい様子がみられる感動作。
鮎川について語るミュージシャンは、浅井健一、大江慎也、柴山俊之、花田裕之、百々和弘、甲本ヒロトなど。
シーナ&ロケッツ鮎川誠~ロックと家族の絆~(2023年)
シナロケのメンバーは、ヴォーカルのシーナを除いてサンハウス出身で構成されており、曲も引き継いでいる。しかし、シーナの存在感は鮮烈で、この組み合わせが功を奏した。同年「涙のハイウェイ」でデビュー。
その後、1stアルバム「SHEENA &THE ROKKETS #1(1979)」をリリース。バンドの魅力である鮎川のダイナミックなギター、シーナのコケティッシュかつパワフルなヴォーカルといっ原点であるロックスピリットが凝縮され、その底流にはパンクが感じられる傑作。
代表曲「レモンティー」、「涙のハイウェイ」、「トレイントレイン」、は。パンクな曲「アイラブユー」、「シュガーリー」、カバー曲「恋のダイヤモンドリング」「ボニーとクライドのバラード」などを収録。
転換点となったのが、イエロー・マジック・オーケストラ(以下YMO)のメンバー高橋、細野の協力を得て、リリースした2ndアルバム「真空パック(1979)」。シングルカットされた「ユー・メイ・ドリーム」でブレイク。
本作はパンク、ブルースをルーツとするシナロケとニューウェイヴが融合したことで当時の新しい音楽となり、女性のロックヴォーカリストが少なかった時代に旋風を巻き起こした名盤。
代表曲「ユー・メイ・ドリーム」、「STIFF L」「オマエガホシイ」、鮎川ヴォーカルのパンクチューン「STIFF LIPS」、カバー曲の「I Got You, I Feel Good」「You Really Got Me」などを収録。
3rdアルバム「チャンネル・グー(1980)」は、パンク・ロックの1stとニューウェイヴの2bdアルバムを兼ね備えた完成度の高い作品。
ウィルコ・ジョンソン級のカッティングが炸裂する「TAIKUTSU NA SEKAI 」、糸井重里作詞、YMO作曲・編曲「浮かびのピーチガール」、YMO高橋作曲のモータウン系サウンド「ベイビー・メイビー」、カバー曲「マイ・ボーイフレンド」、「スージー・Q」などを収録。
結成から途切れることなくつながりを大切に活動を続け、音で勝負をしてきたことで時代を超越した存在となっている。
noteではパンク映画を紹介。
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