<試写>映画『ABYSS アビス』 須藤蓮監督・主演最新作 目を背けたくなるほどに痛い恋
京都支部の今村です!
お久しぶりのnote更新、テーマは待ちに待った須藤蓮さんの新作映画『ABYSS アビス』です!
去年の夏ごろに出町座で前作の『逆光』を見て以来、今村が推しに推してるのが俳優・監督の須藤蓮さん。上映後パンフレットにサインをもらうため、ファミマへお金をおろしに走ったのが懐かしいです(笑)。
そんな須藤さんの新作『ABYSS アビス』が9月15日(京都では出町座にて10月20日)より公開されます!
前作の『逆光』は70年代の広島・尾道を舞台にした純文学的な作品でしたが、今作では打って変わってコロナ禍の東京も舞台となる現代的なストーリーになっています。
今回もありがたいことにオンライン試写で一足先に鑑賞させていただいたので、作品について紹介していこうと思います。
あらすじ
主人公のケイは、夜の渋谷でバーの店員として働きながらフラフラと生きている。ある日行方不明になっていた兄・ユウタの訃報が届き葬儀のため故郷に帰ると、そこにはかつて兄に暴力を振られていたルミが涙を流しながら参列していた。
ケイが抱く兄への強い嫌悪は深まる一方で、彼と関わりの深かったルミにはますます心惹かれていき、気づくとそれは愛へと変わっていた。
渋谷に帰りルミとの交流が続く中で、ケイの、彼女に対する痛いほど純粋な愛はますます強まっていくが、ある日を境にルミは突然姿を消す。
しばらくして帰ってきたルミは弱っていた。ケイとルミ、互いに傷つき弱った二人は、渋谷の街から逃げるようにケイの故郷へと向かう。二人が行き着いた先は、死んだユウタが恐れていた「海の目」であった。
今作『ABYSS アビス』は、ケイとルミという傷ついた男女を中心に進む純粋なラブストーリーでした。
作中にはいくつかアイコニックな場面やセリフがありますが、中でも繰り返し聞こえてくるのが「ケイ、夜に海をみちゃだめだぞ。海の目と目が合ったら引ずりこまれて死ぬぞ。」という言葉。ケイの頭の中には、ユウタが言っていたこの言葉が離れずにいました。
「海の目」とは何なのか。観ている間、このことがずっと頭の片隅にあり、またその答えは、海という「自然」と夜の渋谷のような「都会」との対比によく表れていました。(ネタバレになっちゃいそうなので、詳しい感想はまた後日書けたらなと思います)
須藤監督二作目となる今回の作品ですが、こだわり抜かれた調光やカメラワークが、ケイの痛々しい愛を目に見えて感じさせてくれて、鑑賞後にはさすがだなぁなんて考えてました。早くも監督の次回作が待ちきれない思いです!
記事タイトルにもあるように、傷ついた者同士お互いだけを頼りに求め合う、目を背けたくなるほどに痛い愛の物語、現代の若者にはすごく刺さる部分もあると思います。関西の劇場では来月より公開なのでぜひ劇場まで足を運んでみてはいかがでしょうか。
上映情報
京都: 出町座 10月20日(金)~
大阪: シネ・リーブル梅田 10月20日(金)~
兵庫: シネリーブル神戸 10月20日(金)~
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