情熱と才能の塊、友川カズキさんってどんな人?
皆様、こんにちは。映画チア部(まっぴぃ)です!
前々回の記事では、現在、元町映画館で一週間限定で上映されている映画『どこへ出しても恥かしい人』の主演、友川カズキさんを三つの憧れるポイントからご紹介しました。
今回は、友川カズキさんが一体どんな方なのか、なぜ幅広い世代から熱狂的な支持を受けるのかについてお話ししたいと思います!
出典: https://eiga.com/movie/92418/gallery/2/
友川カズキさんについて知って、本作を観れば、面白さ倍増すること間違いなしです!
1. 友川カズキさんってどんな人?
本作の主人公、友川カズキさんは歌手であり、競輪評論家であり、画家でもあります。
出典: https://eiga.com/movie/92418/gallery/7/
彼が音楽活動の一歩を踏み出したのは中学生のとき。
勉強嫌いだった友川さんは、図書館で偶然目にした中原中也の詩『骨』に衝撃を受け、詩作を始めたそう。
1970年代初め、日本がフォークソングブームに沸く中で、友川さんもまた、独学でアコースティックギターを始め、それまで書き溜めてきた詩に曲をつけて歌い始めます。
そして、1975年にファーストアルバム『やっと一枚目』をリリースし、念願のデビューを果たします。
1970年代後半には、劇団と深く関わるようになり、劇中歌を担当するだけでなく、俳優として舞台に上ることもあったそうです。
また、同時期にさらなる表現の場を求め、絵画にのめり込みました。
出典: https://eiga.com/movie/92418/gallery/5/
そんな努力と挑戦の末、1985年には、東京で初の古典を開いて以降、全国各地でも古典を開くようになり、多数の芸術家、文化人から賛辞を受けました。
2004年には三池崇史監督の映画『IZO』に出演し、5曲を劇中で歌います。
また、2005年には若松孝二監督の『17歳の風景』の音楽を担当するなど、映画音楽の分野にも活動の幅を広げます。
このように、友川カズキさんは、一つの芸術に縛られることなくあらゆる分野で活躍する多才な方であることから、幅広い世代、国籍の人々から人気を集めているのではないでしょうか。
2. 心に刺さる歌詞の数々
2012年、ナインティナインの岡村さんが友川さんの音楽に感銘を受けて、自身のラジオで何度も友川さんの楽曲を取り上げ、友川さんが『ナインティナインのオールナイトニッポン』にゲスト出演したのは、有名なエピソードですね。
出典: https://eiga.com/movie/92418/gallery/3/
友川さんの歌は、なぜ一瞬で多くの人の心を動かすのでしょう。
そこで、私の心に刺さった歌の歌詞をご紹介します!
まず、『どこへ出しても恥かしい人』の劇中歌としても取り上げられているデビュー曲の一つ「生きてるって言ってみろ」。
夢と現実ぶらさげて
涙と孤独を相棒に
コケシでもあるまいによ
(中略)
生きてるって言ってみろ
夢を実現できたことに伴う犠牲、悲しみ。
それでも前を向いて生きていかなければならない。
そんな人生の泥臭さが歌詞に込められています。
後何年か経てば、厳しい社会の中に放り出されることに不安を感じる私の心に、強く後押ししてくれるような歌詞が刺さりました。
そして、私の心に最も刺さった歌は、「23才の抵抗」です。
この曲は、友川さんのデビューアルバム「やっと一枚目」に収録されています。
出典: http://kazukitomokawa.com/j/archives/140
嘘をついてやるよりは
真実をつきつけてやりたい
偉いふりをみせるよりは
馬鹿さ加減を叫んでやりたい
世に流されるよりは
世を流して世を流してやりたい
世の中のその他大勢として埋もれて生きるよりも、自分に正直に、ありのままの自分を見せて生きたい。
しかし、”〜やりたい”という言葉の後には”でも、できない”と言葉が続いているようにも思えます。
やはり、理想と現実の間にはギャップがある。
それを実感している友川さんだからこその心の叫びなのではないでしょうか。
SNSが生活の一部となり、誰かを演じて生きてしまいそうな現代だからこそ響いてくるものがあります。
10代が終わってしまい、世間的にはもう”大人”として見なされるようになったものの、まだ大人になりたくないと思い続けている私にとって、痛いほど染みてくる歌詞でした。
そしてまた、映画を見終わってからだとなお、この歌詞は染みてきます。
好きなことに人生をかけている友川さんだからこそ、彼の歌の数々は訴える力がとても強いのです。
現実に押しつぶされそうな世の中だからこそ、必死にもがいて生きなければならない心内を言語化し、訴えてくれる友川さんの音楽は多くの人の心に響くのだと感じました。
3. 映画『友川カズキ 花々の過失』
実は、友川さんのドキュメンタリー映画は本作が初めてではありません。
2009年、フランス人映像作家ヴィンセント・ムーンの音楽家ドキュメンタリーシリーズ『ミュージシャン・オブ・アワー・タイムス』の第2段として、『友川カズキ 花々の過失』が制作されました。
出典: http://kazukitomokawa.com/j/archives/3062
本作は、コペンハーゲン国際ドキュメンタリー映画祭に正式招待され、「音と映像部門」で最優秀賞を受賞しました。このことにより、友川さんは、ヨーロッパのアート人の間でも知られるようになりました。
こちらの作品は、友川さん自身が語る過去と、友川さんと出会った人たちのインタビューを交えることで、友川さんの人物像を明らかにしていく作品となっています。
「こんなにふざけた大人がいるのかな」
劇中、友川さんを知る人はこんな言葉を口にします。
周りにいる人全員を全力で楽しませる友川さんの姿勢に感激し、仲良くなったと話していました。
歌手活動も、画家の仕事も、遊びも友川さん自身が全力で楽しんでいるからこそ、熱狂的な支持を集めているのだと思います。
出典: https://eiga.com/movie/55885/gallery/
劇中何度も映される友川さんの熱唱する姿。
歌詞に込める熱量がそのまま声となって歌われています。
現代人に訴えかける歌詞と心からの叫びを歌に乗せる。
そんな友川さんのスタイルこそが、多くの人の心を鷲掴みにしているのではないかと感じました。
『どこへ出しても恥かしい人』では、歌手、画家の一面に加え、父親としての一面や競輪を愛する者としての一面にたくさんのスポットライトが当てられています。
しかし、そんな肩書きにさえ縛られることなく、自分の信念を貫き生きている友川さんが恥じることなどあるのでしょうか。
知れば知るほど、魅力的で、愛されるべき人間性を持つ友川カズキさんに迫った映画『どこへ出しても恥かしい人』は、現在、元町映画館にて上映中です!
出典: https://eiga.com/movie/92418/gallery/11/
一週間限定上映なので、お見逃しのないようにしてくださいね。
友川カズキさんについてもっと知りたい方はこちら。↓
『どこへ出しても恥かしい人』の上映情報はこちら。↓
執筆:映画チア部神戸本部(まっぴぃ)
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