シネ・ヌーヴォ支配人、山崎紀子さんインタビュー💖
こんばんは。映画チア部大阪支部卒業生の(ちぴろ、チコ)です。大好きな映画館、シネ・ヌーヴォの支配人山崎紀子さんに今回インタビューさせていただきました!いつもチア部にヌーヴォで上映をできる機会を提供してくださったり、親身に相談に乗ってくださったり。ときには部員と豚丼を食べる会に付き合ってくださったりご飯に行ったり、といつもお世話になっている山崎さん。
いつも装いが素敵と部員の中では話題で、今回はお洋服に関する質問にも答えていただきました!是非最後までお楽しみください!
チア部: まず映画館で働き始めたきっかけを教えてください。
山崎さん: 学生の時に梅田に吉本興業が運営していた梅田花月劇場というところがあって、そこが昼間しか使わないということで、夕方から映画館をオープンすることになって。その頃はまだミニシアターブームも残っていたのね。私の父がその頃大阪シナリオ学校で働いていてそこにオープニングで誰かお手伝いしてもらえませんか?という案内があって、私に「行ってみるか?」と声がかかった。本当に偶然だったの。映画がもちろん好きではあったけどそこまで映画館にしょっちゅう行くわけでもなかった。もうその映画館はないし梅田花月劇場自体もないけれど…
チア部: それは何歳の時のことですか?
山崎さん: 20歳かな…?
チア部: ヌーヴォで働くようになったのは?
山崎さん: ヌーヴォで働くようになったのはシネマワイズが閉まってまた学生一本になってしまったことがきっかけ。
卒業する際に当時学んでいた油絵を続けたいなと思っていたからアルバイトを探さないと!と思っていました。シネ・ヌーヴォのことは元々梅田花月劇場でもうすぐオープンしますよ、というチラシを見たりもして興味を持っていたんです。父が偶然代表の景山と一緒に仕事をしたりしていたから、それもあってちょっと1人働けるかな?みたいな感じで面接を受けさせてもらって。「じゃあ来てください」となったのが24歳のころ。
チア部: 登場人物のファッションが好きな映画を教えてください。
山崎さん: 登場人物のファッション(笑)!?
えーっと…『女が階段を上る時』の高峰秀子さんの衣装は高峰さん自身が衣装も担当した和服ですごく素敵!素敵だなって思っていたら後から自ら選んだ衣装っていうのを知って。あの方は文章も上手で…。ヌーヴォで高峰秀子さんの特集上映をすることになったときに勿論女優としても沢山活躍された方だけど、あの方のエッセイを読んでそこから入ったっていうお客さんも結構いてて。そのときは面白い高峰さんへの入り方があるなあ、と思った記憶があります。私は映画から入って、その後文章を読むようになったけれど、文章を読み返すだけでも面白くてとても好きな女優さんです。
あとはやっぱりアンナ・カリーナの『女は女である』。真似しようって思ったりしたなあ…。シネマワイズで働いていた時にこの映画に出会ったの。その頃はプチブームみたいなのもあって。アンナ・カリーナっぽい服装が当時は流行ったりもしてたしね。『はなればなれに』も!あの辺のアンナ・カリーナのファッションは全部好き。
チア部: 『気狂いピエロ』も…。
山崎さん: そうそう!『気狂いピエロ』も大好き。
チア部: スタイルアイコンはいますか?
山崎さん: (暫く悩んでから)あんまり意識したことないかも…。
チア部: 山崎さんのお洋服素敵だよね、という話をよくみんなでしています。いつもお洋服はどこで購入されていますか?
山崎さん: (山崎さん爆笑)
この間もちひろちゃんには言ったかもしれないけど、「MARcourt」というお店で大体買っています。最近全然服を買えてなくてそれがストレス…。
チア部: 確かにお洋服を買うと疲れが一気に吹き飛ぶ感じってありますよね。
山崎さん: そうそう!「次の初日はこれ着よう」とか決めることで気分を上げられるときもあるから。
チア部: 髪型へのこだわりはありますか?
山崎さん: 髪型も特にない(笑)!長くなったら切るし、美容院も行かないから。自分でバリカンでバリバリッて。
チア部: 映画以外の趣味はありますか?
山崎さん: お酒を飲むのが好き。最近は料理もするようになったかな。信じられないかもしれないけど本当は体を動かすことが大好きで走ったりバトミントンをするのがすごく好き!
チア部: バトミントンがお好きだというのは聞いたことがあります!
山崎さん: 私言ったっけ!?
チア部: (以前シネ・ヌーヴォでアルバイトをしていた)チア部の先輩が、ヌーヴォのスタッフたちでバトミントンをしたときに山崎さんが1番はしゃいでた、って。
山崎さん: そうそう(笑)!
とにかく好きで!
私が多分1番上手かったんじゃないかな(笑)?
(一同爆笑)
チア部: 今まで沢山の映画監督や俳優の方にお会いしたと思うのですが、その中で1番興奮した人は誰ですか?
山崎さん: ペドロ・コスタ!
『ヴァンダの部屋』の上映の時にヌーヴォに来ていて。まだそのときは巨匠になっていく直前くらいのときで、一緒に写真撮ってもらうときも「ウワァ!」ってなって。その写真は今でも残ってる。映画祭ですれ違ったこともあってそのときもドキドキしてました。
チア部:インテリアが好きな映画を教えてください。
山崎さん:めっちゃあるかも!インテリア大好きでよく見るの。インテリア・間取りが印象的な映画は
ウォン・カーワイ監督の『花様年華』とスタンリー・キューブリック監督の『時計仕掛けのオレンジ』。
チア部: 学生時代はどのように過ごされていたのか気になります。
山崎さん: 18、19歳の頃は短大に通っていたけれどすぐ辞めてしまって、その後は専門学校で油絵をやってた。とにかく当時は、絵を描いたり本を読んだり映画を見たり、よく何かを吸収してたと思う。その時に見たものや読んだものは未だに自分の中に残っていたりするしね。あとはよく飲みにも行ったし、1つ下に弟がいて、弟と映画を見たり買い物に行ったり一緒に遊んでいたかな。
チア部: 何かチア部のような活動はされてましたか?
山崎さん: 全然してなかった。在学中じゃなかったけど、ギャラリーのグループ展に出展したりはしてたかな。
チア部:好きな音楽はありますか?
山崎さん: 音楽は本当疎くて。映画を見てこれいいなって思ったのを調べて聞く程度。
チア部: 音楽も映画が入り口なんですね。
山崎さん: 本当そうだね。
チア部:どういう時に音楽を聞きますか。
山崎さん: あまり音楽を聞くことはないかな。でも、今度ヌーヴォで上映するジャズの映画(『ジャズ・ロフト』)は配給会社さんからサンプルをもらって、セロニアス・モンクのピアノがすごくいいなと思ったし、アピチャッポンが映画で使う音楽も好きでYouTubeで探して聞いたりもする。他にも、ペドロ・コスタ絡みでジャンヌ・バリバールの音楽を聞いたりとか、とにかく映画しか音楽の情報源がない(笑)。あとは、チア部と話して興味を持つこともあるよ。
チア部: チア部は音楽が好きな部員が多いので嬉しいです!全然違う質問ですが年齢を重ねることが怖くなったりしますか?
山崎さん: あるー!今まで全くなかったんだけど。怖いと同時に楽しいと思ってることもあるから。
今年45歳で今まで生きてきたぐらいはもう生きられへんかなとか考えるとちょっとさみしくなっちゃうね。自分から若い人に声をかけにくくなったというか、世代間みたいなのを感じる年齢になってるかなと思う。
チア部: 一緒のノリでやろうよという感じではなく。
山崎さん: もちろん一緒にやりたいとは思ってるし、むしろ吸収することのほうが多いなとは思ってて。でもそれこそ20代の監督が多くなっていて、舞台挨拶で一緒に立って、映画自体は凄くリスペクトしてるんだけど、世代間を感じたり。そういう時でも話しやすい大人でありたいなと思う。
断絶しようとは全く思ってなくて。もうちょっと柔軟に世代の違う人とも付き合っていきたいなと思う。
自分の価値観とかそういうものの融通が利かなくなったり頑固になったりしてしまうことがすごい怖いかな。だから、やっぱり映画を見るとそういう凝りをほぐしてくれるなと思う。
チア部: ではチア部との1番の思い出を教えてください!
山崎さん: チア部との思い出...(笑)。やっぱりあの応援Tシャツ※かなあ。金銭的な意味でも嬉しかったし、気持ちも嬉しかった。やり取りをする中でも色んなことを話せたと思うし。あとは、2、3期生の同級生チア部5人が良いチームやなあって思う。役割分担をちゃんとしていて、よくアンテナを張って作品も引っ張ってきて、っていう発信力や誰かと繋がる力がすごいなって思ってる。
※映画チア部大阪支部2、3期生がコロナ禍のシネ・ヌーヴォのために何かできることはないかと企画した支援Tシャツ販売。利益を全て寄付しました。
チア部: 嬉しい...!!!
山崎さん:もっともっとやりたいことをいっぱいやっていったらいいんじゃないかなって思う。これからも一緒に何かできたらいいなって思うし!
山崎さんが教えてくださったチア部世代に観て欲しい映画2本
『アデュー・フィリピーヌ』(1962年/フランス/監督:ジャック・ロジェ)
『有りがたうさん』(1936年/日本/監督:清水宏)
山崎さん、インタビューにお答えくださりありがとうございました!