大阪ミニシアター巡り🚗第4弾【"新生"テアトル梅田】
こんにちは。映画チア部大阪支部です。
今回は、久しぶりの大阪ミニシアター巡り🚗第4弾をお届けします!
今回訪れたのは、"新生"テアトル梅田。
2024年4月19日、【シネ・リーブル梅田】は"新生"【テアトル梅田】へと劇場名称を変更し、「映画・アートを感じながらゆっくり心地よい時間が過ごせる場所」を目指して生まれ変わりました!
この記事では、【テアトル梅田】、何がどう変わったの??どんな作品を上映しているの??といったことをご紹介したいと思います💭
また、【テアトル梅田】の高橋支配人にインタビューをさせていただきました!
「【テアトル梅田】を継承するに至った経緯は?」「【テアトル レトロスペクティヴ】の8作品はどうやって選ばれたの?」「今後はどんな映画を上映していくの?」といったお話を伺いました🌟
ぜひ最後までご一読ください👀
○"新生"【テアトル梅田】の魅力
●シアター・イン・シアター
4階ロビーに登場した大型モニター・スペース。映画の待ち時間に予告編やプロモーション動画を見ることができます。
また、現在はショート映画専門プラットフォームの”SAMANSA”とコラボレーションし、SAMANSAで配信中のハイクオリティな短編作品のなかから、選りすぐりの作品がシアター・イン・シアターにて特別上映されています!
チア部の部員も思わず見入ってしまって、コーヒーを飲みながら贅沢な時間を過ごしました☕️
机にコンセントが設置されているのも嬉しい!!
●4階ロビーには新しいカフェ「MAKUAI CAFE」がオープン!
トップバリスタ監修のラテをはじめ、自然派シロップを使用したソフトドリンク、プレッツェルやデニッシュなどの軽食も販売されています。とっても美味しそう!!
映画の「幕間」から名付けられた名前も素敵です。
●”新生”【テアトル梅田】オリジナルグッズ
・SCRE:EN新商品のTHEATRE UMEDAシリーズ(旧テアトル梅田のスクリーン生地を使用した商品)
・大阪の映画ファンを楽しませてきた映画館たち(旧テアトル梅田、シネ・リーブル梅田、梅田ガーデンシネマ)の佇まいを素敵なイラストにしたポストカード
それぞれ数量限定販売されています!
また、新生テアトル梅田誕生を記念した特別デザインのTCGメンバーズカードはここでしか手に入らないです!
思い出の映画館のスクリーンが、トートバッグやブックカバー、キーホルダーとして蘇り、私たちの日常の中にささやかな幸せをもたらしてくれる、すごく素敵な商品だなと思いました。
そして、映画館のスクリーンの質感!こんなに頑丈なんだ、と驚きました。日常生活の一部として、再び活躍してくれるのではないでしょうか。
○高橋支配人インタビュー🎤(2024年4月18日)
(聞き手:さや、なつめ、ジョウ)
チア部:この度、シネ・リーブル梅田が「テアトル梅田」としてリニューアルオープンすることとなりましたが、もともと高橋さんはシネ・リーブル梅田の支配人をされていたのでしょうか?
高橋さん:私はもともと東京本社で働いていて、一昨年くらいに提携館のアップリンク京都に移動になりました。昨年の1月からシネ・リーブル梅田で働き始め、昨年の5月に支配人となって、ちょうど1年くらい経ちましたね。
チア部:「テアトル梅田」の名前を継承するのには、どういった経緯があったのですか?
高橋さん:旧テアトル梅田が閉館する時に、「寂しい」だったり、「閉館しないでほしい」だったり、色々な意見をいただき、色々な思いを背負った閉館でした。
実は、もともとは4階の梅田ガーデンシネマ、3階のシネ・リーブル梅田という別々の劇場だったものを、一括でシネ・リーブル梅田に名称を変更した経緯がありまして、3階と4階で劇場の雰囲気が全然違ったんですね。なのでいつか改装のタイミングで(3階と4階の)雰囲気を合わせたいと思っていたところ、今回のこの計画でしっかりと劇場を作り直そうとなりました。
この劇場のコンセプトは、上映の1時間前から来ていただいて、映画を楽しみにしていただけること、映画を観た後も鑑賞した感想を言い合える空間をつくることです。関西で文化を発信する機関として、この劇場の持つ意味がすごく大きいなということを考えながら作り直しました。
近年、ミニシアター系のスクリーンがどんどん減っている、旧テアトル梅田が閉館して梅田からスクリーンが2個なくなってしまっている。どんどん文化を感じられるところが少なくなっている中、改めてこの劇場から発信していく展開を求めていかなければならない、その覚悟を持って劇場としてやっていかなければならない。そういった中、改めてふさわしい名前はなんだろうと考えた時に、「テアトル梅田」を受け継いでいこうとなりました。
チア部:個人的には4階のラウンジスペースがとても気になっていたのですが、これほど椅子がたくさんあるとは思っていなかったので、驚きました。シアター・イン・シアターにはコンセント付きのテーブルも設置されていて、上映前の時間の過ごし方がますます豊かになるように思われます。
今後このスペースは、例えば観客どうしの交流の場として使われることはあるのでしょうか?
高橋さん:もともと旧テアトル梅田に勤めていて、現在もこの劇場に勤めている社員が「しねまぼっこ」という企画をずっと旧テアトル梅田でやっておりまして、シネ・リーブル梅田でも引き続きやっていました。ドリンク1杯を条件に、10人以下くらいの人数で参加者を事前に募集して、その社員と参加者の皆さんで映画について語り合いどんどん掘り深めていく座談会です。
最近は上映作品数が多かったり、改装でバタバタしていたりしたので企画は実施できていなかったのですが、お客様と直で触れ合える企画が近い将来にまた復活できればと思っています。
また、シアター・イン・シアターとして大きなモニターが設置されているので、ご希望があれば、そのモニターを用いた企画などもどんどん実施していければなと思っています。
まだ企画段階ではありますが、この空間をどんどんお客様に使っていただいて新しい展開を生み出していきたい。これだけ広い空間をお客様に開放できたので、色々できることはまだあるんじゃないかと、リニューアルオープンを我々自身も楽しみにしています。
チア部:先ほどのお話と少しかぶるかもしれないんですが…。
2022年9月末に閉館した旧テアトル梅田をはじめとして、全国で映画館、ミニシアターが閉館している昨今の状況の中、この度シネ・リーブル梅田が「テアトル梅田」としてリニューアルオープンされました。現状をどのように捉え、どのような思いで新しく映画館を作りあげようとしておられるのでしょうか?
高橋さん:旧テアトル梅田、また他館さんの閉館は、多くのお客さんと同じように「寂しいな、悲しいな」という思いがありました。
また、大阪地区にはシネコンさんがたくさんありますし、スクリーン数は多いです。
ただ、ミニシアターという立場に特化すると、この劇場が一番やれることが多いと思います。リニューアルオープンにあたっての新しい展開を通して、また、旧テアトル梅田が持っていた文化も担うことによって、色々なお客様にミニシアター文化、映画を届けられる。他館さんの閉館について色々思うところはもちろんあるんですが、我々には我々の使命――この大阪という土地でお客様にミニシアター映画を届けること、SAMANSAさんとのコラボによって短編映画を届けること、「文化」を届けること――があります。こういった意味で、この劇場には伸びしろがあるし、お客様に届けられるものがまだまだあると感じています。
他館さんの気持ちをこの劇場で背負うということはできないかもしれないんですが、この劇場からミニシアターを元気にすることができたらなと思っております。
チア部:【テアトル梅田 レトロスペクティブ】特集上映では、『アメリ』、『トレインスポッティング』、『コーヒー&シガレッツ』、『恋する惑星』、『人狼 JIN-ROH』、『セトウツミ』、『この世界の片隅に』、『花束みたいな恋をした』が編成されています。どのような思いでこの8作品が選ばれたのでしょうか?
高橋さん:個別具体的に言うと、『アメリ』は旧テアトル梅田の歴代興行収入第1位の作品であったり、『この世界の片隅に』はミニシアターでは殊に珍しい287日連続上映されるほど人気な作品であったり、また、しばらく上映していなかった『人狼 JIN-ROH』であったり。旧テアトル梅田で多くのお客様に楽しんでいただいた作品を選び、【テアトル梅田 レトロスペクティブ】として上映して恥ずかしくないようなラインナップを作りあげました。
旧テアトル梅田のさよなら興行「テアトル梅田を彩った映画たち」にも入っていた作品もいくつかあるんですが、『恋する惑星』は入れ込みたかったけど入れられなかったという背景があったり、このタイミングで改めてお客様に届けたいという思いで編成しました。
※【テアトル梅田 レトロスペクティブ】は、5月2日(木)まで上映!毎日上映作品が変わります📅
チア部:今後、テアトル梅田はどんな映画を上映する予定ですか?また、テアトル梅田はどんな映画館になっていくのでしょうか?
高橋さん:シネ・リーブル梅田が結構雑食系というか、色々な作品をやってたなっていうイメージがあって、旧テアトル梅田に関してはコアな、結構ニッチな、それこそ「ミニシアター系」と言われるような作品をいっぱいやってたなというイメージがあります。今後テアトル梅田においては、どちらも大事にしていきたいと思っています。「シネ・リーブル梅田っぽいラインナップだよね」と「テアトル梅田っぽいラインナップだよね」を両立したいと思っています。そして、それができるのがこの劇場だと思っています。
ミニシアター系としてはスクリーン数が4つと多い劇場でもありますし、今後どんどん作品数が増えていて、上映スケジュール的にお客様に負担をかけてしまう、「この時間しか見れないよ」みたいになってしまうかと思うんです。でも、そういった理由で作品数を減らすことは今後もしたくなくて、色々な映画を届ける劇場として今後展開していきたいと思っています。
その一翼が、この【テアトル梅田 レトロスペクティブ】だと思っています。アニメ、邦画、洋画、色々なジャンルをやりますよっていうことを感じていただければなというラインナップをセッティングしたつもりです。
【テアトル梅田 レトロスペクティブ】は(3階の)シネマ1のodessaスクリーンで上映するんですが、ここはすごく音響がいいんです。他の音響システムでは聴こえない音がodessaで聴こえるといった声があるくらいの、本当に繊細な音が得意な音響システムです。旧テアトル梅田には入っていなかったシステムなんですが、新生テアトル梅田の特色としてより多くのお客様に知っていただけるように、シネマ1で【テアトル梅田 レトロスペクティブ】を上映することにしました。
今後の作品のラインナップも楽しみにしていただければ嬉しいなと思っています。
チア部:最後の質問になりますが、高橋さんが学生時代に見て影響を受けた映画や、学生におすすめしたい映画はありますか?
また、学生に向けてメッセージをお願いします。
高橋さん:高校までは『ハリー・ポッター』や『スターウォーズ』などの大作くらいしか観ていなくて、大学に入ってからちょっとずつ観るようになりました。
(映画業界を目指した)一番のきっかけとなった映画は、『バタフライ・エフェクト』です。予告編を見たときに「最も切ないハッピーエンド」と書いてあって、気になって本編を観たら、本当にその通りだなと思って。これを作り上げるのがすごいな、映画って面白いなと思って。
そこでコピーライターを目指す、というのが筋かもしれないんですが、僕は自分が面白いと思った作品のエンドロールに自分の名前を載せたいと思い、映画業界を目指すようになりました。映画やドラマや漫画など、面白いものっていっぱいあると思うんですけど、そこにどれだけ関われるかというのは自分の意志次第だと思います。
今は劇場で働いていて、映画の製作には関わっていなくて(エンドロールに名前を載せるという)目標は叶えられていないわけですが、ただそれ以上に発信できることがある。もともと描いたこととは違うところで今楽しい仕事ができています。
なので、学生のうちはとにかく色々なものに触れて、色んなことを楽しんでもらえたらいいんじゃないかと思います。
チア部:ありがとうございました!