大阪ミニシアター巡り🚗第6弾【キノシネマ心斎橋】
こんにちは。映画チア部大阪支部です。
今回は、大阪ミニシアター巡り第6弾として、12月13日にアメリカ村ビッグステップ4階にオープンしたkino cinéma(キノシネマ) 心斎橋の情報をお届けします。
キノシネマ心斎橋の川中支配人にもお話を伺ったので、ぜひ最後までご覧下さい。
今年、2024年10月24日に惜しまれながらも閉館した、シネマート心斎橋。映画チア部大阪支部でも閉館に際して支配人の横田さんにインタビューを行いました。
大阪ミニシアター巡り🚗第5弾【シネマート心斎橋】|映画チア部大阪支部
そんな中、その跡地にできた新しい映画館がkino cinéma(キノシネマ) 心斎橋です。シネマート心斎橋とテナントは同じですが、場内はリニューアルされていて、シネマート心斎橋の面影を残しながらも、赤を基調とする新しい内装になっています。
シネマート心斎橋の横田支配人は、キノシネマ心斎橋では副支配人を務められるということです。異なる映画館にはなりますが、スクリーン前にはイ・ウォンテ監督『対外秘』のポスターがあり、オープン上映でも『対外秘』にくわえ、パク・ヨンジュ監督『市民捜査官ドッキ』がプログラムに含まれているなど、アジア映画に強い映画館だったシネマート心斎橋の精神を継承するような側面も感じました。
また、スクリーン2には35mmフィルム上映機が完備されていて、フィルム上映の良さを味わえるようになっているとのことです。12月27日からはクリストファー・ノーラン監督『オッペンハイマー』の35mmフィルム上映が行われます。
〇キノシネマ心斎橋川中支配人 インタビュー🎤(2024年12月11日)
(聞き手:りょう)
チア部:まず、川中さんはどのような経緯でキノシネマ心斎橋の支配人になられたのでしょうか?
川中さん:私のもともとの映画業界のスタートとしては別の劇場でアルバイトとして働いていたのが始まりでした。そこから社員になりませんか、という形でお声がけ頂いて……。
その後、コロナ禍が続いたこともきっかけとなって、キノシネマの方に転職しました。転職したときに、キノシネマ神戸国際がオープンすることになって、そのときに縁があって社員として働くお話を頂いたという感じですね。
ちょうど入社したのが2022年で、そこから2年後にはこちらに移動になりました。キノシネマ神戸国際では一般の社員として働いていたのですが、この度、キノシネマ心斎橋がオープンするということでお声がけ頂いて支配人という立場になりました。
チア部:一番最初が映画館のアルバイトということで驚きました。横田さんもアルバイトからシネマート心斎橋の支配人になられたということを聞いていたので……。
川中さん:この業界ではそういう流れが多いですね。映画館は働いていて「いい感じだな」「この人適性があるな」ということで社員として引き抜くということが結構あります。
チア部:2019年のキノシネマ横浜みなとみらい開設からこのキノシネマ心斎橋で6館目ということで、キノフィルムズは映画館の運営事業をどんどん拡大していると言えると思うのですが、一方で近年はシネマート心斎橋含め、様々なミニシアターが閉館していて、そういったことをどのようにお考えでしょうか。
川中さん:ミニシアターはコロナ禍を経て廃業される劇場さんも増えてきたと思うんですけど……。これは私の個人的な思いでもあるんですが、映画って「不急」なものではあるけど、「不要」なものではないなと思っていて、映画業界というのは絶対に必要だと思っています。人が人として生きていくうえで絶対「不要」なものではないとは思うので。映画館に対してもコロナ禍ではよく「不要不急」という言葉が言われましたが、そのとき私はムッとしていて。「不急」ではあるけど、「不要」ではないと思って。それで色々転職をして、このキノシネマ心斎橋の支配人になったからには、映画業界を支えていこうという強い気持ちはあります。
チア部:プレスリリースを拝見して「一般的なシネコン映画館とは一線を画すバラエティに富んだ作品を上映」と書かれていましたが、どのように一つの映画館としての特色を出していこうと考えられているのでしょうか。
川中さん:まず、ここはそもそもシネマート心斎橋さんの18年の歴史の上にあるので、もともとそこにいらっしゃった韓国映画が大好きなお客様も引き継いで来て頂けるようなラインナップと、そこにキノフィルムズが下ろしているような他の映画とは切り口の違った映画というのをくわえて、ハイブリッドとしてプログラムの編成ができたらなと思っています。
チア部:オープン上映でも『あんのこと』『ホワイトバード はじまりのワンダー』『対外秘』『市民捜査官ドッキ』『ありきたりな言葉じゃなくて』というように、韓国映画とキノフィルムズが下ろしている映画というセレクションになっていると思うのですが、やはりそういった組み合わせもその理念が反映されているのでしょうか。
川中さん:そうですね。そこはおっしゃる通りとても意図して編成しました。もともとシネマートさんもホラー映画だったり、ちょっとニッチな映画をかけられていたので、キノシネマになっても「ちょっとニッチな映画をかけられないですかね……?」と交渉して編成しました。
チア部:川中さんが好きな映画や学生時代好きだった映画についてお聞きしたいです。
川中さん:ガチで答えていいやつですか?(笑)
私、デヴィッド・ロウリー監督の『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』という映画がすごく好きなんです。日本ではパルコさんが配給していて、アメリカではA24が配給しています。すごいヴィジュアルが良くて、話もすごく良いんですけど……。
めちゃくちゃ公開が楽しみすぎて、海外からわざわざブルーレイを取り寄せて、それを自分で翻訳して一回観たという思い出がある映画なんです。字幕を出して、それを全部書き出して、それを翻訳して何言ってるか理解して、みたいな。すごくセリフが少ない作品なので、翻訳する量は少なかったんですけど、めちゃくちゃ頑張って訳しました(笑)日本で上映することになったときも一番に行って観て。何回も観た作品です。
チア部:最後に、これからキノシネマ心斎橋で行っていきたいことやどのような映画館にしていきたいのかということをお聞きしたいです。
川中さん:心斎橋という場所は若者の街と呼ばれていましたが、今は多様性の街になってきているので、やっぱりそれに即してキノシネマ心斎橋のラインナップも多様性のあるものにしていきたいです。来られるお客様も一人でもいいし、たくさんで来られてもいいような、一人でもたくさんでも楽しめるような映画館にしていきたいです。
チア部:ありがとうございました。