観覧車〜女と男と、時々、ウディ〜
今回紹介する映画は「女と男の観覧車」、Wonder Wheel
今回はPrimeビデオにて鑑賞。またクソタイトルをつけてしまった…
今作は完全にジャケ写鑑賞。いつも見たい映画を探すときは、Filmarksのアプリを見る。話題作は別だが、だいたいジャケット?、ポスター?画像で決めてしまう。
淡い色の観覧車の光とベッドに横たわる物憂げな女性。そして、タイトルは「女と男の観覧車」。B級AVの企画ものか…?これで気になってしまった。
しかし、Filmarksを見ると監督は、ウディ・アレンじゃないか。彼には「ミッドナイト・イン・パリ」、「カフェ・ソサエティ」でお世話になっている。
私の記念すべきノート初投稿も彼の「レイニー・デイ・イン・ニューヨーク」だった。そんな彼との運命を感じながらも鑑賞。
あらすじは、1950年代、アメリカのコニーアイランドの遊園地で働きながら暮らす、再婚同士の夫妻の元に、数年音信不通だった夫の娘が訪ねてくる。彼女はギャングの男と結婚したのだが、逃げて来たのだ。夫妻と夫の娘、妻の連れ子の息子、4人での生活が始まる。しかし、妻はビーチで出会った青年と恋に落ち…
映像はちょっと古い感じのエフェクト?がかかっていて今風に言えば、エモい。家族は、遊園地のすぐそばで暮らしているのだが、夜のシーンは窓から観覧車の赤い光が差し込んできて、これまた、エモ。
不倫に溺れる男女の憎悪、嫉妬をテーマにしているため、ドロドロした内容だが、ここでウディの腕の見せ所。シュールな笑いがちりばめられていてコミカル。非常に見やすい。
登場人物がみんなバカなのが、おもしろい。愛すべきバカたち。
夫 酒癖が悪い。
妻 過去の夢を捨てきれずにいる。不倫する。
娘 男を見る目がなく、ギャングと結婚。
息子 放火魔。
個人的にはこの息子がツボ。とにかくなんでも燃やしていくので、注目。シュールな笑いを誘ってくる。
妻は過去には女優を目指しており、過去の栄光を何度も語る。
映画ではどうしようもない人々に描かれているが、こんな彼らでも実際の我々の等身大の姿なのではないだろうか。誰しもが恋に盲目になるし、小さい頃には、火遊びに夢中になったこともあるだろう。いつまでたっても夢見がちで、過去の栄光にすがりつく。酒癖が悪いなんて、まさに私だ。
そんな我々にも当てはまる愛憎劇をコミカルに描くウディ・アレンは流石だ。彼の作品鑑賞4作目にして気づいてしまった。私は、彼の作品のファンだと。
そこで、後日、ウディ・アレンのドキュメンタリー「映画と恋とウディ・アレン」、Woody Allen: A Documentaryを鑑賞。まず、ウディ・アレンの若い頃と年を取ってからとで、見た目が変わってないことに驚く笑。
彼の家族や共演者、プロデューサーやウディ自身のインタビューや彼のこれまでの作品や人生を描くドキュメンタリー映画。
なるほど。この映画で彼の作品の根底にある、映画観のようなものに気づかされる。
ラブロマンスだけでなく、コメディ要素も彼の映画には多く含まれる。これは、彼が元々はスタンドアップコメディから有名になり、コメディアン、そして映画監督という道を辿ったからであった。
所謂、ラブコメ、というジャンルを映画界でここまで大きくしたのは、彼の功績が大きかったようだ。
1966年に初監督作品を出してから現在まで、毎年のように映画を撮っている。彼は、数打ちゃ当たる説を提唱しており、いずれ大ヒット作が当たるだろうと思っているらしい。これも彼のおもしろいところだ。
そして、それが「ミッドナイト・イン・パリ」だったようだ。よかったね、ウディ。現在85歳のウディ・アレンだが、彼が死ぬまでにもう一本、ブロックバスターが当たることを願っている。
「レイニー・デイ・イン・ニューヨーク」は若者の恋を描いているが、高齢の監督が撮っているにも関わらず、何も違和感を感じさせないウディには脱帽するばかりだ。これからも私に、恋愛とはなにか、人生とはなにかを教えつづけてほしい。
彼の最新作「Rifkin's Festival」は、2020年にスペインの映画祭で上映されたようだが、日本でも公開されるのだろうか。この映画は、スペインを舞台にしたラブストーリーのよう。いずれ彼が、日本を舞台にしたラブコメを撮ってくれないかという期待している。
正直、彼の作品はウディ自身が言っているように、大当たりはないが、どれもはずれはないと、私は思っている。安定のウディ・アレンだ。しかし、作品数が多いので、私たちそれぞれに刺さる作品がどれかあるはずだ。彼の作品が気になった方はぜひ探してみてほしい。
ドキュメンタリー映画によると「アニー・ホール」Annie Hall、「マンハッタン」MANHATTAN、は傑作らしい。私も早速チェックしてみようと思う。
それではこのへんで。