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映画『室町無頼』公開記念〜前人未到の「一揆シーン」の作り方〜

1、はじめに

 こんにちは、入江悠です。
 先週、わたしの最新作『室町無頼』が全国公開になりました。

全国公開中です

 10代の頃から時代劇が好きだったのと、小中高と剣道をやっていたこともあり、「いつか映画監督として時代劇を作りたい」というのが長年の夢でした。
 今回、京都の職人さんたちのお力を借り、東映の大作時代劇に取り組むことができました。

 映画『室町無頼』は、室町期を舞台にしたアクション活劇であり、「室町時代」という、実写映画でほとんど描かれていない時代を扱っているため、撮影が大変だったシーンが無数にあります。
 その中で、もっとも大変かつ初挑戦だったのは、「二条通りの一揆シーン」です。

 大泉洋さん演じる蓮田兵衛が一揆勢を集結させ、洛外から洛中(京都中心部)へと攻め入ります。目指す先が、「二条通り」です。 
 今でも京都には「二条通り」があり、撮影時にわたしもこの「二条通り」に住んでいました。
 撮影期間中、歩いていたら「監督〜、この前エキストラ参加しにいったわよー」とお声がけ頂いたのはとても良い思い出です。

 今回は、この「二条通りの一揆シーン」をどうやって作っていったかについて、記憶が曖昧になる前に記しておきたいと思います。

 この先の映画やドラマで、どのくらい一揆シーンが作られるかわかりませんが、できるだけ史料的側面を残した方が良いと思っており、すこし専門的な内容になるかもしれませんがご了承ください。
 映画をお楽しみいただいた方には、撮影裏話としてお読みいただけると幸いです。 
 それでは、いきます。

2、「二条通り」の一揆の作り方

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