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フィッシャーズさんの戦隊特撮ミュージックビデオを監督したよ

◾️フィッシャーズさんに会うの巻


ひょんなことからそれは訪れました。
いつも映画・ドラマで特殊メイクをお願いしているHさんから電話。

「入江監督。YoutuberのフィッシャーズさんがMV(ミュージックビデオ)を作りたがってるんですけど、監督お願いできません?」

どうやら戦隊モノをモチーフにしたMVらしいです。
Hさんがすでに戦隊コスチュームの制作に取りかかっているらしい。
なにやら撮影では爆破もしたい、とのこと。
むむむ、かなり本格的。
爆破は好き。
アクションも撮りたい。
戦隊モノは初めてだけど、Youtuberの方と一緒というのが楽しそう。
やりたい。

撮影が夏。
ということだけがひっかかりました。

今年の6月頃に映画撮影をしていたのです。
下旬はもううだるような暑さで、
「こりゃあ、7月8月は撮影なんて無理だなぁ」と思っていたのです。
恥ずかしながらわたし、この2年くらい、毎年熱中症になっています。
シナハン(=シナリオハンティング)でいろいろな場所を見て回るのですが、炎天下で水分を奪われて気づけば頭痛。
夜は吐き気。
というわけで、終日炎天下にいて仕事するロケは、もう日本の夏ではムリなんじゃないでしょうか、と思っていたのです。
亜熱帯通りこして、もう熱帯だし、日本。

が、今回のテーマは「爆破」そして「アクション」。
さらに、海をモチーフにした戦隊モノになる、とのことで、海での撮影になりそうです。
もう逃げ場がありません。
日陰はありません。

覚悟を決めました。
やる、と。

◾️撮影の準備をはじめるの巻

まずは、フィッシャーズさんと会うところから準備は始まりました。
これまでAKB48のユニットやソロ、ミュージシャンの方々のMVは作ってきたのですが、Youtuberの方との打ち合わせは初めてです。

緊張しました。
変な人だったらどうしよう、と。
ソワソワしながら打ち合わせ場所に行って、ンダホさんにお会いしました。
「こんなことがやりたいんですよね」ということをうかがいます。
とても真っ当な方で、やりたいこともストレートにお話しされて、「なるほど、なるほど」とあいづちを打っている間に、一瞬で打ち合わせは終わりました。とても良い方でした。期待が高まります。
さらに今回ですね、東映の戦隊「ハリケンジャー」も登場するとのこと。
まさかの本物出演です。

早速、撮影場所の下見や各スタッフとの打ち合わせなどをやりました。
今回は大爆破があるのですが、これが日本で可能な場所はそれほど多くはありません。火薬の許可や近隣に住民の方が住んでいない、などの条件があるのです。関東近郊となると、ほぼ千葉か栃木の2択。

ついに衣装合わせの日がやってきました。
戦隊コスチュームのフィッティングです。
フィッシャーズのメンバーの方々に着てもらって、サイズ感や動きやすさ、色合いなどを確認するのです。

で、恥ずかしながら、わたし、戦隊モノの撮影は初めて。
びっくりしました。
「着るだけでこんなに大変なの!?」と。

一人が着るのに、スタッフ三人がかりです。
でもたしかに、背中のチャックを締めたり、靴を用意したりと、スムーズにやるにはこれくらいが必要。
衣装合わせは一人ずつ着てもらいますが、撮影時は六人が同時に登場しなきゃいけたいため、「うわ、こりゃ大変だ」と今さらながらに戦隊モノの苦労を知ったのです。
しかも、撮影は真夏のど真ん中。
炎天下なので、服が死ぬほど暑いだろうし。

大丈夫でしょうか、フィシャーズさん。
嫌な予感がすごいするのですが。

◾️ついに撮影がやってくるの巻

やってきてしまいました。
撮影当日。

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