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メ〜テレ60周年記念作品『女子大小路の名探偵』は2時間ドラマで十分だった

名古屋と岐阜を舞台に繰り広げられる痛快ミステリー「女子大小路の名探偵」は、メ〜テレ60周年記念作品として2023年10月に公開された。剛力彩芽演じる美貌と腕っ節を持つホステスの姉と、醍醐虎汰朗演じる頼りない弟という凸凹コンビが、連続殺人事件の真相に迫っていく物語である。


物語は名古屋の繁華街・女子大小路にあるバー「タペンス」から始まる。バーテンダーとして働く広中大夏は、ストーカーの疑いをかけられたことをきっかけに児童相談所の職員・秋穂と知り合う。しかし、秋穂が担当する女子中学生・佐野あすかが心肺停止状態で発見され、3日前に起きた別の中学生殺害事件と併せて、大夏は連続殺人事件の容疑者として疑われることになる。


岐阜・柳ヶ瀬のクラブ「グレース」でホステスとして働く姉の美桜は、2年間音信不通だった弟の窮地を救うため、事件の解決に乗り出す。姉弟の関係修復と事件解決が絡み合いながら、物語は展開していく。タペンスの常連客である望月弁護士や、事件の鍵を握る謎の人物・ヤマモトなど、個性的なキャラクターたちが次々と登場する。


作品の特徴的な要素として、名古屋・岐阜の街並みが印象的に描かれており、地域色豊かな演出が随所に散りばめられている。しかし、露骨な商品広告や、探偵要素の希薄さなど、作品としての完成度には賛否両論が見られる。


結末に向けて、姉弟の絆が試される展開となり、真犯人の動機や過去との繋がりが明らかになっていく。しかし、最終的な犯人逮捕シーンは白昼堂々と行われ、やや唐突な印象を与えている。

Filmarksでの評価を見ると、2時間ドラマ的な展開や、設定の活かしきれなさを指摘する声が目立つ。一方で、剛力彩芽の凛とした演技や、地域色豊かな描写を評価する意見もある。

本作は、テレビドラマとして制作された方が相応しかったかもしれない。しかし、剛力彩芽の存在感ある演技や、名古屋・岐阜の魅力的な街並みの描写は、作品の価値を高める要素となっている。


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