◯『ドラえもん のび太の宇宙小戦争〈リトルスターウォーズ〉』
監督:芝山努、1985年
本篇(Netflix):https://www.netflix.com/title/81044900
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もうレビューでもなんでもないので、読み飛ばしてください。
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まず前提として、「ドラえもんは前の声優陣の方が良かった」などという声に与するつもりはありません。勿論しっくりくるのは、大山のぶ代ら旧声優陣のシリーズです。それを観て育ってきたのですから、当然です。でも、作品に対する評価と個人の好き嫌いはあくまでも分けておきたい。
そんな事を考えながら土曜の夜に再生したのが、本作。
3月に公開される(予定の)、ドラえもん映画最新作『のび太の宇宙小戦争〈リトルスターウォーズ〉 2021』の、オリジナル版の方です。
もう名作に決まっているので、いまさら私が何か書くことなどありません。
観ながら考えていたのは、「今度のリメイク版でこのあたりがどうアレンジされるのか?」ということです。
気になる要素を列挙すると、
① スネ夫・ジャイアンたちの映画撮影のシーン
②しずかちゃんの牛乳風呂
③スネ夫のプラモ戦車部隊
④ギルモア政権の描写
あたりが挙げられます。
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①に関して、スネ夫たちが自主制作映画を撮る、という展開はあるとしても、まさか住宅街のど真ん中で火薬を使って撮影するのか、という点。
(マンガだから許されるのかもしれませんが・・・)
少なくともカメラはVHSではなくデジカメ、下手したらスマホかもしれないですね。
②は単純に「女児の入浴シーンをやるのか」という点(気持ち悪い話題ですみません)。もう長い歴史のあるシリーズって、「おやくそく」のシーンがだんだん記号みたいになってきますから、無思考に出すくらいなら、あるいは規制だらけで描写するなら、別のシーンに置き換えてもらった方がマシかもしれません。なにより、時代が変わっていますから、やるべきではないとさえ思います(過去作品の描写を否定・断罪する気はありません)。
予告を見る限りはあるみたいですね。
③当世の小学生男子はここまで熱心にプラモを作ったり、ラジコンで遊んだりするだろうか、という単純な疑問。まあ、これがないとストーリーがそもそも成立しないのですが・・・
④原作・旧作のギルモア独裁政権の描写は、諸所の要素においてジョージ・オーウェルの小説『1984年』をモチーフにしていたり、旧ソ連を彷彿とさせるエンブレムのデザインなど、現在の視点でみると時代性を感じるものが多いのが特徴です。
仮にその時々の現実の情勢を取り入れるのだとすれば、たとえばギルモア将軍の人物像をドナルド・トランプのようにポピュリストだったり、排外主義的な人物に設定してみたりすれば、21世紀的なドラマが広がる気もします。
(対するパピくんがバイデン)。「政治的な」ものを嫌うエンタメ商業作品には土台無理な話かもしれませんが。。。
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そもそもいい歳して、ひとりでドラえもん観に行ってんじゃねえよというツッコミはありつつ。
昨今は「ドラ泣き」などというコピーで映画が公開されたりもして(山崎貴の方。観てないです)、
「ドラえもんに泣きは求めていない。俺は冒険活劇マンガ映画が観たいんだ!」という気持ちが大きくなってきています(前作『のび太の新恐竜』は本当に「ありえない」とさえ思いました)。
たぶん、こういうのを懐古厨、あるいは老害というのでしょうが・・・。
それでも、最後にここは大いに主張したく。
「武田鉄矢の〈少年期〉がない『宇宙小戦争』は『宇宙小戦争』足り得るのか⁈」
とにかく、なまじっかリメイクするなら、完全新作か、一旦シリーズをやめてもいい気さえします。
多方面で楽しみです。状況が改善していればいいのですが。