◯おうちで映画 『さよなら人類』
原題:『En duva satt pa en gren och funderade pa tillvaron』
監督:ロイ・アンダーソン / 2014年 / スウェーデン・ノルウェー・フランス・ドイツ合作
本篇:https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07QF44XWJ/ref=atv_dp_share_cu_r
*
2014年の東京国際映画祭での上映時の邦題は「実存を省みる枝の上の鳩」。
新作『ホモ・サピエンスの涙』がおもしろかったので過去作をと思ったのですが、Amazon primeにはこれ一本しかなく。
本来は『散歩する惑星』『愛おしき隣人』と併せて三部作だそうです。
*
たぶん誰もが覚えのある、「本当に自分はここに実在するのか」「もしそうだとしたら、それは何故か」みたいな自問自答を可視化すると、こういう表現になるのかなと。
そしてそれに敢えて答えるとするならば、そんな問いかけは実際のところ殆ど意味がないことなのだ、というのがこの映画のメッセージではないかと。
劇中繰り返される「元気そうでよかったわ」という台詞。
何度も何度も繰り返されるうちに、決まり文句以上のものでもなんでもない、その言葉の空虚さが滲み出てくる。
それはさらに、男の口癖「当然だが。」や、動物実験用の猿の鳴き声といったフィルターを通して増幅される。
人生にこれといって意味はない。嘆き悲しんだところで、人は生まれるし、死にゆく。
おおかた、いつまでたっても週末(終末)なんか来やしない。いつまでたっても水曜日。
木曜日がきた気がしているだけで、大抵の物事は気のせいだってことです。
なので映画にも特にキレイなオチはありません。
*
万人向きじゃないです。でも、ある種の真理を垣間見ることができます。
シュールな世界観、間(マ)、空気、なんでもない時間の流れを楽しむ自身のある方は、是非。
参考:映画.com
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?