![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68544417/rectangle_large_type_2_57e9875ffeafb380990272fb93183c87.jpeg?width=1200)
Photo by
soeji
『香川1区』
監督:大島新/2021年
選挙って、自分の考えに基づいて、いちばん近いスタンスにいる(と思われる)候補者に入れるものだと思っていますが、
ある種の人々にとってはどうも「義理を通す」「和を以て尊しと為す」ことの方が優先度は高いようです。
私は東京・武蔵国一帯という、良くも悪くもドライな環境で生まれ育ちました。
選挙権を得て、投票に際して、何がしか心理的なバイアスはあるとしても組織的なしがらみを感じる機会は無く、「20歳の頃からずっと党員やってるから、今更ねぇ…」という人生は想像もつきません。
それはさておき、いま一番鮮度の高い映画ではないでしょうか。例に漏れず、観た人にしかわからない観念的な感想を記します。
裏庭にヒョロヒョロの大根が生えた。
大根は、雨ニモ負ケ、風ニモ負ケ、正直者ガ馬鹿ヲ見ルを体現し続けてきた。
その大根が束の間、綺麗な花をつけ、すぐに落とした。そして残ったのは、アスファルトの隙間に太く頭を突き出すド根性大根だった。
大根は「51に支えられながら、残りの49を抱えていく」と言った。
大物メディア王は、「こんなPR映画(※ママ)など作って、フェアな民主主義じゃない」と声高らかに言った。
大根は決してフェアな民主主義とは口にしないし、その語彙すら持っていないかもしれないけれども、それが何たるかを見極めようともがいている。
大根は今日も行くだろう。