◯『MOOMIN VALLEY』
邦題:『ムーミン谷のなかまたち』)
フィンランド・イギリス合作 / 2019~ @NETFLIX
「ムーミン? 子ども向けアニメでしょ?」
それはそうなのですが、このムーミンアニメはすごいです。
原作小説を読んでいると結構こわいというか、不可思議で不安になるような感じがあるのですが、
その要素をよく汲み取っています。
かつてのアニメシリーズ『楽しいムーミン一家』(1990~92)は、優しく、のんびりとした世界での冒険物語!といった風情。
一方新シリーズは、優しい世界ではあるのだけれども、何か一種「毒」というか「痛み」というか、まるで縫い針で指をチクっとしてしまった時のような「気づき」の瞬間がある。
スナフキンの神経質さや、ある種の「領土問題」でムーミン一家とミムラ一家がバチバチする展開などにそれを見出せます。
そもそもムーミン自体、トーベ・ヤンソンが戦前〜戦中に『ガルム』という風刺雑誌の表紙に描いていた「生き物」が元になっていますから、彼らムーミン谷の住人たちには、実はそういう要素が多分に詰まっているのですね。。。
個人的には姿の見えない少女・ニンニや、冬にムーミン一家の水浴び小屋に住み着くトゥティッキ(おしゃまさん)のエピソードがどう料理されるのか楽しみです。