「SPITZ JAMBOREE TOUR 2021 “NEW MIKKE” THE MOVIE」鑑賞記録
こんばんは。ワクチン2回目の副反応は思いのほか重かったのですが、日曜朝にはそこそこ回復していて、この映画を見に行く頃には何事もなかったかのような状態になっていた喉元過ぎればなんとやら人間です。
副反応でまあまあな地獄を見た話は置いといて、今回はスピッツの話をしようと思います。
前にもスピッツについては記事にしたことがありまして…
1年前に横浜SunSet2013の映像がYouTubeで公開されてたのですが、またこうやって劇場でスピッツを観る日がやってくるとは…そう思うと私はこの2013の映画を2015年に観に行ってたのでスピッツに劇場で会うのは6年ぶりですね。
今回のライブ映像も横浜で行われたライブをたっぷりトークも余すことなく映像にしたファンにはたまらない一品になっております。コロナによって延期されていたMIKKEのツアーが横浜から再開されたのですが、画面越しであっても、スピッツのメンバーが、ファンが、この日を待ちわびていたのだということがこちらまで伝わってくる熱気がありました。
スピッツが画面越しであっても登場してくるだけで、歌い出すだけで自然と涙が流れてしまいそうになるのはなんなんですかね。ライブでは「この人たちは今ここにいて私たちに向かって歌っている、今を生きている」ということがものすごい圧倒的な事実として私を包み込むのですが、そんな当たり前のことがなんでこんなに人を感動させるのか…今回に関しては映像なのになあ。もしかしたら、映像では「今」が「そのとき」に変わっただけで、事実としては変わらないからなのかもしれません。
ライブを続ける、曲を作り続ける、ミュージシャンとしては基本とも言えるかもしれないことを何歳になっても続けることの難しさは、当たり前のことを続けることが難しいことと同じように、いやもしかしたらそれ以上に難しいことだと思います。それなのにいつまでもすみっこぐらしみたいなスタンスを崩さずに、しかしそれでひねくれるでもなく、ひたすらに自分たちの音楽を貫いていく姿が今の私には眩しすぎました…カッコよすぎました…
新曲に加えてライブ定番曲や昔の曲も織り交ぜながら、そしていつものゆるゆるしたトークを展開していくいつものスピッツの姿がありました。何かの雑誌のインタビューで読んだのですが「スピッツは変わらない」ということに対してマサムネさん自身がどう考えているのかという話がありました。時代が変わる限り変わらないものなんて本当はないはずで、スピッツが変わらないでいられるのは時代に合わせて変わっているからなんだといったことがそこには書かれていました。
その記事を読むまでは私もスピッツは変わらないと思っていました。でも本当はいっぱい変わってきたんですね。たしかに「スピッツ」と「見っけ」じゃあ全然違いますよね…(笑)でもやっぱりどっちも自信を持ってスピッツだ!って言えますよね。これって本当にすごいことなんじゃないかなあ。たいがいのバンドの初期ファンは大衆化していったバンドの音楽があまり好きになれず離れちゃったりとかするのになあ(個人的にはそれも含めてバンドが生きた証で、バンドメンバーが成長して描いた軌跡なわけで、愛おしく思えますが…)。ただスピッツは「スピッツ」の頃から一貫してある何かがあって、それをひたすらに色んな形で表現し続けていて、螺旋階段みたいに中心から一定の距離で変化し続けてるようにも思えます。その何かが4人にはきっと共有されていて、4人にだけ見えてるのかな。このメンバー(クージーさんも含めたら5人ですね)の誰一人欠けても今のスピッツのあり方ではありえなかったような奇跡が起き続けていて…ただやっぱりいっちばん根っこにはマサムネさんという圧倒的な存在もあるのかななんて思ったりもします。この人をどうやって輝かせようか、みたいな強い思いが他のメンバーから迸っているような、それでいてマサムネさんは「俺のバンド」みたいな顔は一切しないしむしろ他を立てようとしているような気もする。多分互いが自己主張はそこまで強くないんだけれど他の人を輝かせるという点でとても力があって、そんな関係性がこのバンドを他にはまねできないものにしていて唯一無二のバンドになっているのかもしれません…ちょっと意味わかんないですかね…すみません。
やっぱりすごいバンドとしかいいようがないです。抽象的な話ばっかりしてしまいますが、こればっかりは具体的には書けないですね。そしてこれはもっと時間をかけないと語り切れないことだと思いました。またおいおい書いていけたらなと思います。
さてこの映画ですが劇場での公開は終わりましたがオンラインでは10月16日から11月14日まで配信が予定されています。劇場まで訪れることが難しかった方はぜひオンラインで!劇場でご覧になった方もぜひぜひ…私もまた観ちゃおうと思います。
それでは今日はこの辺でそろそろ失礼いたします。おやすみなさい!