13 脳はいつも休んで楽しい事しかしたくない
前回は人が思考を停止しがちで、それによって大変な事が引き起こされてしまう事もあるというお話でした。
人間は進化の過程で脳を大きくしてきました。そしてより複雑な思考が可能になり、論理的であったり抽象的な概念も考えられるようになりました。しかし、確かにそれは可能で、他の動物とは違う人間的な精神活動ではありますが、いつでもそうかというと疑問が残ります。以前に聞いた話ですが、ある学者が脳はいつも休む事を考えているというような事を言っていました。自分自身や周囲を見ているとそれが正解なのじゃないかと思えてきます。
都市伝説か単なる噂かは分かりませんが、外国人から見た日本人は「変えない為には何でもする」人たちなのだそうです。それもよくわかります。会社で、ホワイトカラーの仕事は概して「変える」為の仕事をするのが定義のはずですが、多くの場合、「維持する」が仕事になっています。つまりは新しい事はできるだけ拒否して、これまで通りに黙々とやるのです。新しい事には脳のエネルギーを多量に使用しますが、これまで通りであれば、それが長ければ長いほど反射的に対応できます。
新しい事はそれが自分が好きでやっている事でさえ私たちにとっては苦になります。おかしなものですね。例えば読書ですが、読む行為はいつも一緒でも内容はいつも新規です。ですから好きな読書であっても眠くなったり途中で放り出したくなることがあります。文章を書く事、絵を描く事、何かを作る事も同じです。これも脳が休みたいと要求しての事かもしれません。
では、いつも私たちが休んでしまうかというと、そうでない事もあります。楽で楽しい事は休みません。テレビはそのひとつです。自分でしなければならないのは電源をONにしてチャンネルを選ぶだけです。受動的でけっこう楽しい思いができます。セックス関係もそうでしょう。外見上、立派な方が男女関係や犯罪的な行為が明るみに出て問題にされる事がありますが、他人からは我慢できなかったのかと感じられます。無理でしょうが。何しろ楽しい事ですから。
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