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新たな就職氷河期誕生の危機

一度入ると抜け出せない底なし沼、生まれた時代は選べないのに「自己責任」と言う言葉で他の世代から見捨てられた世代。コロナ禍の中、セーフティーネットさえ壊されつつある世の中を、どうやって生き抜くのか? ロストジェネレーション世代がこれ以上不幸の連鎖を起こさない為に、氷河期世代当事者の体験を基に、新しい生き方を伝えて行くストーリーエッセイ。

氷河期世代、想像より5倍は壮絶

僕は氷河期世代と命名されてるだけで不愉快だし、はっきり言って「ぼく氷河期世代」なんて、心の底から喜んで言う奴はいないだろう。 要は勝手に不景気にされて、勝手にそれを背負わされた世代だし。勝ちゲーモードのバブル世代のツケを肩代わりされてる状況が延々と続いている。 まだライフが3つあって何度でもリセット出来るスーパーマリオが全然天国だ。

先ずはざっくり説明すると、氷河期世代は1970年から1984年、バブル世代は1960年~1969年生まれの事を言う。 詳しい事は散々語り尽くされているので、ここではあまり言及しない。 ただ異常なまでに就職に苦労して、その後の人生も生き残りを懸けたサバイバルゲームが続いてるのは確かだ。 バブル世代がイージーモードなら、氷河期世代は知らない間に勝手にハードモードに設定されて、さらに仲間も殺しあうと言う壮絶な設定なのである。 

就職氷河期なんて、面接100社受けたら全落ち、望んでも無いフリーターと言う「無職」にされたり、派遣社員で奴隷扱い、正社員登用のニンジンをぶらさげられて、未来永劫正社員になれない契約社員がぞろぞろ誕生していた。 給与体系もこっちは1ミリ、、いや1ミクロンも望んでないのに見直しとか言って、ロクに昇給もしない低賃金労働者が誕生した時代でもあった。 ちなみにバブル景気に新卒採用100にだった企業が、バブルが崩壊して氷河期になると新卒採用2人と、それ位じゃニュースにならない位世間に一気に冷たい空気が蔓延していた。

就職氷河期なんて「就職に苦労した世代」じゃなく「大半がまともに就職出来ず、永遠に苦しみを味わっている世代」の表現が正解だ。バブル世代や団塊世代が思っているより5倍ひどいし、それが10年以上も続いたとなると、もう生きる気すら無くなり、自殺率も上昇するのは当然だ。

第二氷河期の始まり

そして今想像を絶する「コロナ禍」になった、僕は「またか・・・」と思ってしまった。 なぜなら僕が経験した就職氷河期に状況がそっくりだから。コロナ関連の倒産は全国で362件確認されている。(7月21日 帝国データバンク) ここ最近でもイッセイミヤケ新卒内定取り消し、JAL、全日空、USJ等名だたる企業が来年の新卒採用を見送っている。大手企業でこれなのだから、中小企業はどんな状況なのかもう想像できると思う。 今年の1月はインバウンド景気で盛り上がり、人手不足が叫ばれていたのに。たった数ヶ月でこれである。

コロナ禍が明けるまで、、、と言うが、日本社会は未だ新卒一括採用が主流であり、来年、、再来年も景気はそう簡単には回復しないだろう。本当に第二氷河期が始まったと言わざる得ない。 どっかの経済担当相が「第二氷河期を作らせない」と言ったが、殿様(政府)が農民(民間)が飢饉で苦しんでるのに、城では農民から巻き上げた年貢(税金)で優雅に暮らしてるようなもので、全く現場を理解してない状況だから今は期待できない。 正直一機を起こすくらいの運動をしないと難しいだろう。いつの時代も人のやる事は一緒だなぁ。。

そして僕はいまコロナ禍に於ける「セーフティーネット」についてちょっと考えてみた。 僕ら「最初の」氷河期の時のセーフティーネット、たとえば飲食業はブラックすぎたので、常に正社員を募集していた。入社してすぐに店長にされて、残業無しのニセ管理職にされてもまあ社会保障のある正社員だった。 そしてバイトもそこそこあった、イベント、飲食、清掃、日雇い現場でなんとか食べていけた。 でも今は「労働集約産業」と呼ばれる人手が沢山必要な業種がことごとくやられている。 飲食だと客来ないし、売れないし、お金ないから人雇えない。経済が詳しくない人間でもわかる理屈である。。 

別の視点でも考えてみた、当時は注目されなかった業種「介護」はどうだろうと。主観的だけど飲食よりひどい低賃金ブラック業種だと思うので、そんなひどい目にあわせたくないのが本音だ。 今だとテレワーク業界、IT業界は「まだ」大丈夫だと聞く。 だたいずれにしろ「望んだ業種につけない」のは氷河期世代と一緒だと思うと、悔しい気持ちでいっぱいになる。 女性特有のセーフティーネットと言われる水商売、風俗だって壊滅してるんだから。これを書いてると心に暗雲が立ち込めてくる。

これから

いま僕が務める会社には人材紹介会社からの営業がひっきりなしにかかってくる。 どこも採用をひかえているから、藁をもつかむ思いなのだろう。でも明日どうなるか僕自身もわからないので何も力になってやれない。

結局、強者の味方はいても弱者の見方はいなかった、、と僕は思っている。 頼って助けてくれないと嘆く人もひいるけど、頼られる人も自分が生きてくのに必死で助けれないのだと思う。 本当に依存はダメ!

これからどうなるのか。新たな就職氷河期になっても、僕はいま大変は目にあってる若い子達をサポートする事が必要だと思う。 いまは自分自身もがいているが、氷河期世代の経験をもとに、生きる術を伝えていけたらと思う。

皆幸せになりたいし、楽しく生きたいのだから。僕もまだ出来てないけど。

すこしづつ前に進んでいこう。








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