【職人の道】プロローグ

ムートンとの出会いは23才の時、知人が起業したので呼ばれてムートンシートカバーの販売会社に勤めることになる。

まだ若いので、60万ぐらいのムートンシートカバーがピンと来ない。ただ高いと思うけどいかにして売るか?わから〜ん。
注文が入ればお客様の車の型紙を採寸する。
ちょうどバブルな時代、芝浦には高級外車ディラーがあって商談のあとジュリアナ東京を眺めながら1度は行ってみたいな〜とワンレン、ボディコン。   もう死語。
事務所に戻って型紙の整理して、できたら制作会社の社長と打ち合わせ。型取りの時、写ルンですで細部の写真撮って。
型取りなんて、今までしたことない、教えてくれない、仕方なく自己流。
でも初めてとった型紙で商品ができてきたときは嬉しいと思うんでしょうけど、覚えていない。
この会社ではいい事がなかった。
2年ぐらいで潰れたので、作っていた工場の社長に雇ってもらった。それが、ムートンを縫う職人としての始まり。
初日に、カットロス 5cmX10cmのチップを繋いで40cmx40cmをつくる。
 今なら、8分ぐらいで縫えるものを、半日かけて縫う。何回も縫ってはほどき、嫌になる。
だけどもそんなに難しい事をしている訳じゃないなと思ったのは事実。
 次回に続く。