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【職人の道】初志貫徹


最初は、経営なんてどうすればと考えます。でも、スタートしているわけでよくやったなと思う。今思えば、何も考えていない。
今までの仕事をすればいいやろうぐらいだったな。
加工賃の計算も今までは、何度か聞いたけどはぐらかされてたのでわからんまま。
「かかった時間x倍+@や」最終的にはこれだけ。
何十年も前だからいたってどんぶり勘定だなと考えながら、でも、下請け仕事になるとかかった時間ぐらいになる。もしくはマイナス。
量こなしてなんぼ、早く下請けは脱出したいなあと、縫って縫って縫いまくるしかない。そしたら、左手親指付け根が腱鞘炎になり、サポーター巻いてまた縫って縫って縫いまくると反対の右手も腱鞘炎。
サポーターにはマジックで、ベンツって書きました。
乗りたかったので、夢を書いて眺めながら縫いました。
 でも起業してもう27年たちますがベンツは乗れません、まだ、頑張りが足らないのだと思ってます。
その頃の売上表のノートは今でも保管していて、煮詰まったときに見て初心に戻ります。大切においてます。

深夜残業

最初の冬場のシーズンも終え、それなりに仕事も増え、得意先もできてきた、いよいよ、間借りから旅立ちます。
何も気を使うことなく仕事ができる場所です、でもここでやっていけるのかなと、「1か月後の家賃払えるかな?」そんなこと考えながらも神はいるもんです。大口が入ってくるもんです。
仕事が入るのはうれしいですが、ベテランの人はいません、職人は俺一人。
あとは新人さんです。
新人さんができることをPM5までさせて、その後は一人でまた、縫って縫って縫いまくりです。
とにかく縫うのはどんどん早くなります。
しかし、
新人スタッフが裁ちばさみをもって「社長、このはさみ切れません、全然切れないから手が痛いです~。」 
俺 「そりゃ切れへんで。」
新人スッタフ「なんでですか?ふるいからですか?」
俺 「裁ちばさみはな、小さい穴のほうに親指を入れて、大きいほうに残り
の4本指入れて持つようになってるねんで」
新人スタッフ「そうなんですか~」
俺 「今、手見てみ」
新人スタッフ「反対ですね、ふふ」
俺 「何がふふやねん、あほか~はさみの持ち方から教えなあかんのか~」
  「切れるわけないわ」

まあこんなレベルからスタートですからね、できる仕事は知れてます。
残った仕事は終わるまで、縫います。で縫ったら、翌日の用意をして帰ります。当時の自宅マンションのエレベーターの中で新聞配達の方に新聞をもらったことは何度もあります。超ブラックですね。
自分でやるってことは、こんなもんだなと今でも思ってます。
さて今日は帰るとします。

今はこんなもの縫ってます。ぜひ応援よろしくお願いします。