【選挙出まくり男】小西彦治とは何者か?(12)【雲仙市長選挙編】
12月22日投票の長崎県雲仙市長選に、
こと、小西彦治氏(以下、彦治氏)が出馬しました。 記念すべき、通算20戦目の首長選となります(めでたくない)。
この選挙について読者から情報をいただきましたので、提供者の承諾を得た上で皆様と共有させていただきます。
▼ポスターを検証する
コチラが両候補のポスター。 現職の金澤秀三郎候補は、
4期目を目指しますが過去3回の市長選は全て無投票当選。 選挙戦になったのは県議初当選の2007年以来、17年ぶりとなります。
市民に民意を表す場を提供しない「無投票」が続くのは良くないのは当然で、19年ぶり(!)に市長選が行われるのは良いコトでは有りますが、
という話で、彼を「無投票が続くコトを憂いて立候補してくれたヒーロー」なんて見るべきでは有りません。 それはまず、ポスターを見ても明らかでありまして。
コチラが雲仙市長選のポスター。 賢明なる “彦治ウォッチャー” の皆様なら既にお気づきでしょうが、
私が「ゴチャゴチャしている左側」と呼んでいる「お約束」というタイトルの部分を、直近の市長選となる愛媛県東温市長選(10月27日投票)と雲仙市長選で並べて見ますれば、ご覧のように左右が全く同じであると御確認いただけるかと。
中に「一番の害悪が『マンネリ化』です」という一文がありますが、それは恐らく「このポスターが最もマンネリで、使いまわしですよ」と訴えているのだと思われます。
▼選挙公報を検証する
今回の選挙公報で特筆すべきは、「みなさまのお約束」という文が(選挙公報では)初めて用いられる “完全オリジナル” だというコト!
・・・って、分かってますよ。「そんなのあたりめーだろ」というご意見は。 ただ、その「当たり前」が通じないのが、彦治氏という人なので。
最近の演説内容やtwitter-Xの主張に沿ったものであり、ここまで作り込んだ点には正直、驚いています。 が、コレは恐らく「選挙公報」のレイアウトが各自治体毎に異なるコトに起因していると私は見ています。
コチラは対する現職の公報ですが、名前が下に来るようなものは、あまり例がありません。
一般的な公報は名前を右側に配置する横長のレイアウトが多く、
正方形のものも名前が右側に配置レイアウトが殆ど。 やはり雲仙市長選の指定レイアウトが特殊なものであるため、新たに作るにあたり文章を作り直し、今後他の首長選に出る際は今回の文を多用するのではないか、と私は見ています。
また、公報のQRコード(何か起きた際に責任がとれないため加工処理しています)を読み込んで「選挙公約」とやらを見たのですが・・・
と文字が重なって読めない部分が有り、さらにトドメは、
文の中に「市長」と「町長」が混ざってしまっています。 これまでいろんな選挙に出まくったせいで、今どの選挙に出ているのか分からなくなっているのでしょうきっと。
もちろん同情なんてするワケもなく、公約の最後に「行政に足りないのは、お金ではなく、やる気です。」などとドヤっておりますが、もっともヤル気が足りないのは貴方の雲仙市長選に対する想いではないでしょうか。
▼選挙結果
前回(といっても19年前)の投票率が「84.57%」なので前回比マイナス47.48ポイントという、今回の投票率を超えるほどの下がりっぷりとなった選挙は当然ながら金澤候補が4選した一方、彦治氏は得票率16.64%で供託金返還&選挙運動の公費負担が発生してしまいました。
ただ、当選した金澤候補が4選という多選のフェーズに入り、且つ19年間も市長選が行われない雲仙市で、いくら相手が彦治氏でも現職に9割強の得票が集まる方が不自然であり、彦治氏が首長選14度目の得票率10%を超えたのは然るべき結果と言わざるを得ません。 “狙われた” 時点で雲仙市の、負けです。
▼選挙費用の公費負担を算出してみる
そんなワケで彦治氏に選挙運動にかかった費用に対し公費負担されるコトになりましたが、雲仙市長選における選挙運動の公費負担については、市で定めた条例によって決められています。 一体いくら税金から支払われるのか、検証してみましょう。
①選挙ポスター
条例によるとポスターの公費負担分の算出方法は、
とあるので、ポスターにかかる公費負担は最大「431,538円」となります。
ただし、今回彦治氏はポスター貼りを業者に頼んでいるという情報が有り、それに対しては公費負担は発生しないため、この金額でどれほどのポスター関連費用のサポートになるかは分かりませんが、市としては最大これだけの支出が発生するのだと捉えて下さい。
②選挙カー及び燃料代と運転手
先程触れたようにポスター貼りを業者に任せているとするならば私は初めて聞くケースです。 だって彦治氏はポスターを自らで全ての掲示場に貼るコトが主な(唯一の?)屋外で行う選挙活動であり、それが選挙カーや運転手を用意しているコトの証明になるからです。
なのでここからは推測の域を出ないのですが、告示日初日に(記者団にせかされて)街頭演説を行なったようなので初日のみ選挙カーを利用したとするならば、
となり、最大36,300円が公費負担となります。
ただし、実は彦治氏側が選挙期間中、雲仙市で選挙活動を続けたとして選挙期間(日~土)の7日分を請求したならば、上記から7倍となり、
の合計、254,100円が最大の公費負担となります。
彦治氏の選挙運動はそれこそ初期だと「ポスター貼ったらサヨウナラ」であったものの3月以降は期間中は選挙運動をしていたハズです。 ただ今回は上記のようにポスター貼りを業者に頼むぐらいなのでどうなっているかは分かりません。
彼は自身のtwitter-Xで発信する術を持っているのですが、選挙ではあまり利用しないので詳細は不明です。 賛否のポストに対する返信はしているものの、自身からの発信で最も新しいのは、幻に終わった衆院選和歌山2区出馬の記者会見を知らせるもの(7月29日)で、その次が、
相生市長選出馬を届出たその日にキャンセルするという前代未聞のコトを起こした翌週に出馬した、
藤枝市長選に落選したコトを詫びるものです。 藤枝以降、岐阜県池田町、愛媛県東温市、和歌山県広川町長選と出ていますが、それらについては一切触れていないのです。 なんと薄情な・・・
③選挙ビラ
私がtwitter-Xで投稿したリプ欄で「選挙ビラが来た」と、ビラに貼る証紙が貼られた彦治氏のビラと思われる画像が送られてきました。 それ以上の情報が無いため詳細は分かりませんが、もし配っていたのなら、
が支払われます。
ただ、前述の通り彦治氏は今回、ポスター貼りも業者に任せてサッサと帰ったという情報も有るので、それとビラ配りの整合性が取れません。 だって、選挙ビラの配布は「手渡し」と「新聞折り込み」が基本で、「戸別訪問」や「ポスティング」は公職選挙法違反になるのですが・・・
以上、①、②、③合わせて最大「716,558円」が、選挙運動に対する公費負担として彦治氏に支払われる可能性が有ります。
もちろんこの額は想定値の最大額であり、彦治氏がどれだけ請求するか次第、且つ、選管の審査で認められた額になるので、あくまで(最悪の)目安として捉えていただきたいのですが、19年間にわたり市長選を行なわなかったツケが、コレです。
雲仙市民の皆様には申し訳ないですが、選挙をケチってはいけない、選挙を他人事だと思ってはいけないという見本や教材としていただければ、と・・・
▼まとめ
東京都知事選や兵庫県知事選など、騒ぎになる選挙が目立った2024年ですが、それより約半年先に「首長選に出まくる」という異質な選挙活動をしていたのが、彦治氏です。
今年は「13戦8勝4敗1ドタキャン」という結果となり、4敗1ドタキャンの供託金を300万円没収されました。 貧乏な私にはこんな大金を取れれてなお「選挙出まくりマン」を続けているのか分かりません。 果たして彦治氏は、こんなコトを来年も続けるのでしょうか。
本人はSNSで「来年のプランを模索なぅ。」などと呑気につぶやいていますが、確か、
と言っていた気もしますが、さて、2025年はどうなりますやら・・・
最後までご覧いただき有難う御座いました
メンバーシップ参加者を募集中です
取材費捻出のために御協力をお願い申し上げます