【#74】岐阜県・養老町長選挙レポート(2022 11.20)
岐阜県の西(西濃)に位置する養老町。 「肉のまち」と呼ばれ精肉店や焼き肉店が多く並ぶこの町で行われた町長選は、行政と企業の関係性、そして行政の透明性が問題となりました。 果たして、この町で一体、何が起こっているのか。
新人同士の一騎打ちとなった選挙戦を、レポートします。
◆概要
面積:72.29㎢(岐阜県 第26/42位)
人口:27,823人(岐阜県 第19位)※2021年3月31日現在
人口密度:384.8人(岐阜県 第20位)※2021年3月31日現在
平均年齢:47.9歳(岐阜県 第24位)※2018年9月1日現在(若い順)
衆議院は岐阜2区に属し、
棚橋泰文(自民 9期)氏を選出
◆立候補者
◆前回(2018年)の選挙
現職が引退して後継指名を受けたため副市長を辞した候補と、市議を辞して立候補した候補の一騎打ちという、割と良く見る構図です。 勿論、構図は同じでもそこに至る過程には自治体毎に事情が異なるワケでして。 この養老町には何があったのか、見ていきましょう。
◆POINT
①交通インフラが整い始めた養老町
概要に書いたように面積も人口も岐阜県中位に位置する町なのですが、2017年10月に東海環状道の養老ICが開通。 更に2018年6月に養老SAのスマートICが開通しました。 東海環状道は養老IC以南に伸び続けており、4年後には三重県の北勢ICと繋がり東海環状道が完成、高速によるアクセスが格段に上昇します。
また、工場で完成した生産品を運搬するため、近くにICが有るのが工場建設に際しての場所決定において必須条件であり、町内に二つのICを持つ養老町は今後の企業誘致を有利に進められるかもしれません。
②食肉新施設計画問題
そんなアクセスがよくなってきた養老町ですが、冒頭に書いた通り「肉のまち」と呼ばれています。
焼肉店を併設し、それこそ観光バスも停まれるんじゃないかというレベルの大型駐車場を備えた精肉店も有れば、住宅街の一角に突然小さな精肉店が現れたりと、本当に多くの店舗が有り、それを生かして、
ふるさと納税の返礼品に飛騨牛を多く揃えた結果、納税額が岐阜県内で第4位の約12億円集まるようになりました。 養老町の一般会計予算が約112億なので、町にとって如何に大きな歳入となっているかお分かりいただけるかと存じます。
そんな養老町で現在進められているのが、新たな食肉処理施設の建設計画。
詳しくはコチラの記事に書かれているので御確認いただきたいのですが、この施設が出来ると現在ある町営の食肉事業センターと、岐阜市&関市にある同様の施設を統合するコトになるという、まさに「肉のまち」に相応しい施設が出来るようなのですが、土地取得などの費用約31億円を全て町が負担するコトになっており財政を圧迫しかねず、また周辺へのニオイや騒音が心配される中で、予定地決定などのプロセスが不透明だとして反対の声も挙がっています。
今回、当然ながら川地候補は施設建設推進の立場で、岩永候補は「必要があれば見直す」と宣言しています。
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