【選挙出まくり男】小西彦治とは何者か?(4)【ポスター・選挙公報編】
1月21日投開票の長野県・須坂市長選挙。
6期目を目指す現職と新人の一騎打ちなのですが、その「新人候補」というのが、小西彦治氏。 「元兵庫県議」という肩書きで須坂市とはこれといった縁が有りませんが、首長選はいわゆる「居住要件」がいらないため、こういった方が突然立候補するコトも可能なのです。
昨年夏から全国各地の首長選に出まくっている小西氏。 彼をよく知らない須坂市民に向けて “昨年から小西氏を監視し続けてきた” 私が解説させていただくシリーズの四本目。
最終回となる今回は小西候補のポスターや選挙公報を見比べて、最後に私から見た「小西彦治とは?」を述べます。
◆ポスターを見比べる
◎長野県・須坂市長選(2024 1.21)
今回の選挙ポスターはコレになります。 ご覧の皆様の中には、もしかしたら良いデザインに見えるかもしれません。 そう見えた貴方は、、、 間違っていないと思います。 左側がゴチャゴチャしている点を除けば色味もフォントも顔写真や名前の配置も良く出来ているのではないでしょうか。
ただ、このポスターにはカラクリが有るのです。 それが、
この “ゴチャゴチャしている左側” の部分です。 コチラに公約などをアレコレ書いているのですが、この部分が「ポイント」となります。 では、過去の首長選ポスターを振り返っていきましょう。
◎福島県・矢吹町長選(2023 12.24)
コチラが矢吹町長選のポスター。 須坂市長選と比べて顔写真が随分若いコトに驚かれたかと思いますが、それについて小西氏は須坂市長選の記者会見で「去年までのものは現在の自分と比べて若い写真を使っていたので、今回(須坂)にあたって撮り直した」と語っていました。 それ以外は基本的に今回と同じですがポイントは、やはりポスターの 、
“ゴチャゴチャしている左側” の部分。 レイアウトがほぼ同じです。 そして書いている内容を比べてみると、
「ぷらすワン(+1)」以降の文章が全く一緒。 中央の「バトンの絵」より上も、「市民」と「町民」が違う以外、書いている内容はおおむね同じです。 小西氏の政策・主張が「使いまわし」であるコトが御理解いただけるかと存じます。 では、更に振り返ってみましょう。
◎福島県・大熊町長選(2023 11.12)
コチラが大熊町長選のポスター。 右側は全く同じデザインです。 これまた使いまわしですね。 対して “ゴチャゴチャしている左側” については、
福島第一原発が建ち、現在も帰宅困難区域が設定されている大熊町なので、内容は大熊町民向けの内容に仕上がっています。 それはイイのですが、注目していただきたいのは別の部分。
上下部分を拡大しましたが、オレンジ枠内で青色の線が二重になっているのが分かるかと思います。 そして「ラミネートコーティング」されている様子も気づくコトでしょう。 そうです、このポスターは使いまわしているポスターの上に、ラミネート加工した大熊町長選用の文章を貼り付けているのです。 どうですか? 酷いでしょ!?
◎長崎県・時津町長選(2023 10.29)
コチラが「選挙ウォッチャーちだい」さんが小西氏の選挙を取材された中で最も古い、時津町長選のポスターです。 右側は全く同じなので触れませんが、左側に注目すると、
上から貼りつけた様子は無いので、時津町長選用に作ったものなのでしょう。 ただ、文面をよく見ると「時津」の文字はひとつも有りません。 「町」という単語は有りますが自治体名が無い。 つまり、このフォームならどの町長選でも使えるという汎用性の高さです(勿論、選挙ポスターに汎用性が有る時点でおかしいのですが・・・)。 しかも、
ちだいさんのレポートに書かれていますが、ポスターに書かれている「7つのお約束。」の中に、
「町長・議長の公用車は専用のものを使わず、即資産売却」
などと掲げていますが、時津町にはそもそも町長や議長専用の公用車が存在しておらず、売却も何も書いてあるコトが的外れだったという体たらくっぷり。 汎用性だけを重視し町の事情を全く調べなかった結果、このような大恥をかくコトになり、以降の選挙ポスターからは「公用車」の文字が消えたのでした。
如何でしたでしょうか。 小西氏の掲げる政策がテキトーなのかがお分かりいただけたかと存じます。 では、続いて選挙公報を見比べてみましょう。
◆選挙公報を見比べる
◎長野県・須坂市長選(2024 1.21)
選挙公報はポスターに比べれば、まだ選挙ごとに作りこんでいて、須坂市長選ではそれなりのコトが書かれています。 まず先に、他の首長選で出された選挙公報を並べますので見比べてみて下さい。 きっと気づくハズです。
◎三重県・いなべ市長選(2023 11.26)
・・・先ほど「作りこんでいる」という言葉を使った自らを恥じるほどの圧倒的手抜き感。 ただ、見ていただきたいのはデザインやレイアウトではなく、内容なので、念のため。
◎福島県・大熊町長選(2023 11.12)
ポスター紹介の際に書いた通り大熊町長選は町の事情が特異なので、大熊町に向けた内容になっている、ように見えますが、隣にある現職の公報に書かれている内容と比べれば、違いは一目瞭然です。
◎長崎県・時津町長選(2023 10.29)
選挙公報のフォーム(縦 × 横のサイズ)は自治体で異なるため、それに合わせたデザインが必要になります。 ポスター紹介の際にも触れた、有りもしない「専用公用車」の件をコチラでも堂々と掲げておられます。「想定外を想定した防災意識を」なんて日本語としてどうかとは思いつつ、能登半島地震のコトを想うと良いコトも書いていたりするのですがねぇ・・・
◎京都府・精華町長選(2023 10.15)
「精華町を精華市へ」なんて安直なキャッチコピーが書かれていますが、小西氏の場合コレすらマシに見えてきているのは、この一週間、小西氏を取材し記事を書いて、ずっと彼について考え続けている私の脳がおかしくなってきたのでしょうね(涙)。
それはともかく、「ライドシェア」という言葉が何度も登場していますが、大阪万博や都市部で導入が検討されている方の「ライドシェア」はタクシーが足りない分を補うためであり、人口約3.6万人の精華町で都市部と同じくタクシーが不足しているとは到底思えません。 もしコレが交通弱者を救うための “寄り合いタクシー” 的な「ライドシェア」を指すのなら書く意味も有ろうかと思いますが、どうせ巷で話題になっている政策だから取り入れたダケなのでしょう、きっと。
◎岡山県・総社市長選(2023 10.1)
段々と遡って公報を見ているワケですが、書かれている文言を見ればその頃の世相が見えてきます。 そういえば去年の夏って「昆虫食」なるものが騒がれた時期でしたっけ。 やはりこうやって安直に取り入れたのでしょうね。
◎三重県・松阪市長選(2023 9.3)
総社市に新しい風を吹かす前に、松阪市で新しい風を吹かそうとしていたのですね(笑)。 「私は松阪市の全てを知らないからこそ」って、よくもまぁ堂々と市長選の場で言えたもんだなぁと呆れてしまいますね。
と、いうワケで、皆様へ必要以上に “彦治節” をお見舞いしたのですが、ここまで見ていただければイヤでも気づくでしょう。 小西氏は何となくふんわりとした、それこそ “朝7時59分にテレビから流れる占い”と同様に、誰に対しても何となく届きそうな言葉をただ羅列しているダケ。 そうです、
のです。
◆「小西彦治」とは?
コレが私の結論です。 以降は私個人の意見なので異論も有ろうかと思いますが読んでいただけると幸いです。
国籍や年齢などの条件をクリアさえすれば、誰でも立候補するコトが出来ます。 それは当然ですし、たとえ当選の見込みが無くても、世間に自らの主張を訴えるタメに立候補するコトも自由です。 それが100歩譲って、右か左かのどちらかで極端に傾きまくった人であっても構いませんし、10,000歩譲って、例えば「UFO侵略から世界を守る!」とか「ゴム人間を追放しよう!」とか「永久電池は世界を救う!」とかの陰謀論丸出しの主張で有ったとしても、立候補して訴える権利は与えられて然るべきでしょう。 要は有権者がそういった「アレ」な候補を粛々と落とせばイイだけの話ですから。
しかし小西氏には何の主張も無い! 選挙運動の公費負担をいただくコトが目的なのかもしれませんが、前回算出した金額を見れば「それでガッポリ大儲け」という程の額では有りませんし、彼の職業(コンサルティング会社代表、中古車販売、トレーダー など)を考えると「選挙で稼がないと生活できない!」というコトでもないでしょう。 私には小西氏が、ただ自己顕示欲を満たしたいがために選挙に出ているとしか思えません。 そして、そんなちっぽけな欲望のために市民が権利を行使できる最大の機会である「選挙」を使われては、たまったもんじゃありません。
小西氏は自ら宣言していた'(シリーズ第2回参照)通り、現職が多選で高齢な、まさに今回の須坂市長選のような状況を狙って立候補します。 多選や高齢に批判的な方も一定数いらっしゃるでしょうし、現職への批判の意を込めて対抗馬として出てきた小西氏に一票入れたくなる人のキモチも充分理解できます。 ですが、これだけは断言しておきましょう。
彼がやっているコトは、選挙への、市民への、民主主義への、冒涜です。
全4回にわたって書き連ねて参りました「小西彦治とは何者か?」 以上で終了となります。 最後まで読んでいただき誠に有難う御座いました。
明日は須坂市長選の投票日。 この連載が須坂市民の投票行動の一助になれば幸いです。 そして、もし今後も「“選挙ゴロ” 小西彦治」がどこかの首長選に出て来た際に、この記事が彼を知る参考資料になるようにと、切に願います。