【#94】岐阜県・御嵩町長選挙&町議会議員選挙レポート(2023 6.25)
4月の統一地方選以来、2か月ぶりとなる取材は時間と雨に追われるものとなりました。 興味が有ったのは選挙結果よりも現在、町が抱えている問題について。 かつて環境破壊問題で揺れた町が、案件を変えて再び襲われている。 その歴史と現状、そして現職が遺しやがったものを、レポートします。
◆概要
面積:56.69㎢(岐阜県 第28/42位)
人口:17,712人(岐阜県 第31位)※2023年6月1日現在
人口密度:312.4人/㎢(岐阜県 第22位)※2023年4月1日現在
平均年齢:47.7歳(岐阜県 第23位)※2018年9月1日現在
衆議院は岐阜4区に属し、金子俊平(自民 2期)氏を選出
今回の取材時間が私用と重なり午前中しかとれず、更に大雨で演説をする様子も無い。 更に更に選挙公報を出さないダメ自治体のため、町議選に関しては全くデータが有りません。 なので町議選については無料部分でサクっと紹介しておきます。
◆町議選・選挙結果(定数12/14名)
新しい町長を選ぶ選挙と同日だったため投票率が伸びる中、公明候補が前回に続いてトップ当選。 候補者の半数が新人で大きく顔ぶれが変わる選挙でしたが現職は全員当選となりました。
では、町長選に移ります。 コチラも限られた取材時間でしたが、選挙結果以上に現状の御嵩町政が結構な「アレ」具合だったので、それを中心にレポートしていきます。
◆町長選・立候補者
現職が4期で引退し、新人候補同士の一騎打ちとなりました。 現職については後程たっぷり触れるとして、まずは候補者のプロフィールを御紹介。
◆渡辺 幸伸(わたなべ ゆきのぶ)候補
渡辺候補は御嵩町出身。 愛知大学卒業後、岐阜県庁に入庁。 県庁舎建設課長、総務部次長などを務め今年3月末に退職しました。 今回、初の政界挑戦で「チェンジ!みたけ」を掲げ初当選を目指します。
◆福井 俊雄(ふくい としお)候補
福井候補は御嵩町出身で日本大学卒。 2019年の町議選に初当選し任期満了直前の今年6月に議員辞職し町長選に立候補。「信を貫き故郷の自然と町民の笑顔を守る!」と掲げ初当選を目指します。
◆前回(2019年)の選挙結果
前回は無投票で現職の渡邊氏が4選を果たしました。 前々回に続いての無投票当選で対抗馬が立たないほどに町内の支持が強かった一方、今回引退を決めたのは、かつて町民を二分する大問題と大事件が起きた町をまとめた手腕が評価されていたのに、4期目になってズンドコな町政運営をやらかしたコトが絡んでいるようです。
◆POINT
①産廃処理場建設問題で揺れた町、御嵩
1990年代に持ち上がった産廃処理場建設問題。 一時、町と業者が住民への説明なしに協定を締結しますが、1995年に処分場反対派の柳川喜郎氏(渡辺町長の前職)が町長に初当選し建設許可の一時凍結を県に要請しました。
ところが1996年10月30日、柳川町長が自宅マンションのエレベーター付近で2人組の人物に襲われ頭蓋骨骨折等で一時重体となる程の重傷で1か月入院を余儀なくされます(※犯人は捕まらず、時効成立・・・)。 事態を重く見た反対派住民は建設の是非を問う住民投票の実施を直接請求し実現(当時住民投票が行われるのは異例)。 建設反対79.65%という民意を示し、時間がかかったものの2007年に県・町・業者の三者会談で業者が建設許可申請を取り下げるコトに合意し、ようやく解決したのです。
そして柳川前町長は2007年に3期12年で引退を表明。 その後継とされ新人3人の選挙を制し当選したのが、渡邊町長。 これだけの歴史を経て誕生した町長なら支持が厚かったのも納得です。 ところが4期目は町の二大問題に対し町民の支持を得られない方向に推し進めようとした結果、5期目を狙える状況にないと分かり、全てを放り投げて退散したのだろうというのが多くの町民の見方です。
では、現在の御嵩町が抱える二大問題
について、何が問題とされて今回の町長選候補は何を訴えているのか、見ていきましょう。
①リニア残土受け入れ問題
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