【レポート #34】衆議院議員選挙・長野県第1区レポート(2021 10.31)
肥前国第9代平戸藩主、松浦清の言葉だそうですが、現在においては野村克也さんの座右の銘として有名ですね。 ただ、こと選挙においては、
と言うべきではないかと思うのです。 この選挙を取材して、そして結果を受けて、私はそう感じました。 勝者には勝つべくして勝った「理由」が、敗者には負けるべくして負けた明確な「理由」が有ったのです。
県都長野市を含む選挙区で連続当選している立憲民主党のベテランに自民党の元参院議員が挑む選挙。 “選挙クラスタ” の皆様に是非とも読んでいただきたいレポートです。
◆概要
(Wikipediaより引用)
・長野県北部を区域とした選挙区で、
◎長野市(旧大岡村・豊野町・戸隠村・鬼無里村・信州新町・中条村域を除く)
◎須坂市
◎中野市
◎飯山市
◎上高井郡
◎下高井郡
◎下水内郡 の、4市2町4村が含まれる
・有権者数:425,440人(長野県で最も多い区)
◆立候補者
・篠原 孝(しのはら たかし)候補
篠原候補は中野市出身。 京都大学卒業後、農林省に勤めた後、2003年に民主党公認で出馬し比例当選し、民主党政権時代の2010年には農林水産副大臣を務めました。 以降党籍を民進党→無所属(2017年の衆院選で希望の党にも立憲民主党にも入らず無所属で出馬し当選)→国民民主党→立憲民主党と移しながら6期連続当選(2009年から4期連続小選挙区当選)し、「国民不在の自民党政治に幕引きを」と訴え、今回7期目を目指します。
・若林 健太(わかばやし けんた)候補
若林候補は長野市出身。 慶応義塾大学在学中に公認会計士の資格を取得し卒業後会計事務所を開設。 2007年に父である若林正俊参院議員(元農水大臣)の政策担当秘書として政界に関わり始め、2010年に引退する父の後継として参院選に立候補し初当選し1期務めるも2016年の参院選で落選。 2017年の衆院選も比例北信越ブロック単独で立候補し落選。 5年半の浪人期間を経て「この空気、入れかえます!」と世代交代を掲げ今回国政復帰を目指します。
◆POINT① 4年ぶりの議席奪還を狙う自民党
長野1区にはかつて小坂憲次さんという名士がいました。
(日テレNEWS24より引用)
文科大臣などを務め自民党のベテラン議員でしたが2016年に悪性リンパ腫で亡くなってしまいました。 小坂さんは曾祖父の代、それこそ帝国議会時代からこの地域の議席をほぼ独占してきた一族の血を引く議員です。 曾祖父の小坂善之助さんは地元の新聞「信濃毎日新聞」(以下、信毎)の初代社長で信毎は現代まで小坂一族が社長を引き継いでいます。 また善之助さんの三男で三代目信毎社長の武雄さんは地元民放の顧問や相談役も務めており、ちょっとした「メディア王」状態。 香川の “ワニ一族” みたいな感じです。
そんな小坂一族ですが、憲次さんが病気で政界引退したあとは家系から後継者を立てなかったため一族の血が途絶え、自民党は、
小松裕氏を擁立し2期務めたものの前回の選挙で比例復活も出来ずに落選。
議席を失った自民党は2018年の時点で若林候補を長野1区候補に内定。 若林候補は自民議席の奪還という重要なミッションを課せられています。
◆POINT② “小坂王国” から議席を奪ったベテラン議員
2003年から長野1区で出馬し比例当選した篠原候補は三度目の対戦となる2009年の衆院選で政権交代の波に乗り、小坂さんに比例復活させないほどの差をつけて小選挙区初当選(小坂さんは翌年参院で比例当選し国政復帰)。 以降12年間に渡り、かつての “小坂王国” だった長野1区で議席を守り続けてきました。 前述の通り所属政党が何度か変わり、党の幹部になったことは無いのですが農水族のベテラン議員として存在感は大きく、今回の選挙は野党共闘で候補者の一本化に成功し、更に維新の候補者擁立も無く一騎打ちとなったことから事前報道はどの媒体も「篠原リード、追う若林」と報じていました。
ただ、篠原候補について気になる案件が見つかっています。 事前報道を見る限り情勢に影響は無さそうですが取り上げておきますと・・・
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