【#99】長野県議会議員選挙 佐久市・北佐久郡選挙区レポート(2023 4.9)
今回のレポートの見どころは、ココだと断言して良いでしょう。
勿論、後述しますが構図だったり情勢だったりが長野県議選12選挙区の中で最もガチガチな戦いであり、そこで如何に明暗が分かれたのかをお伝えするコトが本来の趣旨ではありますが、やはり見ていただきたいのは驚きの号泣理由。 是非御購読いただいて、その理由と状況に驚愕していただきたい!
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それでは、定数4に5名が立候補した激戦の模様を、レポートして行きましょう。
◆概要
佐久市と北佐久郡の立科町(驚きの細さ!)、御代田町、軽井沢町の1市3町が範囲となる
有権者数:117,053人(うち、佐久市が80,760人)
衆議院は長野3区に属し、
◆立候補者(定数4/5名)
冒頭に書いた通り全員が県議経験者。 会派から構図を見ますれば、
という、ガッチガチに党派性丸出しの選挙となっております。
◆前回(2019年)の選挙(定数4/5名)
前回も同じ顔ぶれで戦い、最後の1議席を無所属新人の竹花候補が共産の藤岡候補に競り勝ち議席を獲得。 その後、自民党県議団入りしました。
今回は竹花候補も自民党公認で出馬し、更に党派性が強くなりましたが、そうなると鍵になるのは、そう、かつて国政において “キャスティングボード” を握るのが大好きだった、あの党です。
◆POINT 「県民クラブ・公明」という存在
前回(2019年)の選挙で3人当選した公明党。 しかし会派になるには5人以上必要となるため、無所属で当選した議員で非自民・非立憲社民のスタンスな無所属議員に声をかけ、5人加えて計8人で第3会派として4年間活動したのが「県民クラブ・公明」です。 今回、自民公認を含む3候補に推薦を出しているものの、同会派の議員に公明支持層の票がより多く集まる形になります。
そうなれば当然、自民候補は公明票を期待できない形になり業界団体頼りの組織戦となるのですが、この選挙区の自民公認候補は、2名。 公明抜きで必ずしも大きくないパイの取り合いという身内の争いも起きそうで、どう転んても穏やかには行かない選挙戦となりそうです。
◆統一教会と関連疑惑のある候補
NHKが昨年8月に現職県議に統一教会との関係についてアンケート調査をとったところ、大井岳夫候補が統一教会関連団体による自転車イベント(いわゆる「ピースロード」)に初当選した2019年から3年連続で参加し、激励の挨拶をしたと回答しています。
更に共産党長野委員会調べによるとと竹花美幸候補も統一教会関連団体のイベントに参加をしており、しかも参加した際に政務活動費を不適切使用したとして返還したコトが明らかになりました。
自民党の県議全てが統一教会と関連が有ったワケでは無い中、2019年初当選の自民候補2名が関係を持っていた。 コレも同選挙区内で公明票が期待できず新たなる支持団体を見つける必要性に駆られたのかもしれません。
ただ、もし、「ピースロード」の “正体” を知らないで参加していたならば・・・ それは情弱過ぎて話にならず、何の言い訳にもならないコトも付け加えておきましょう。
それでは候補者紹介に移ります。
無料部分では残念ながら取材できなかった2候補について触れていきましょう。
◆小山 仁志(こやま ひとし)候補
小山候補は佐久市出身で東海大学卒。 1999年から10年間、柳田清二県議(現佐久市長)の秘書を務めた後、2009年に佐久市議に当選。 2期6年務め2015年に県議転身を目指して無所属で立候補し初当選。 これまで2期務め、2期目は所属会派「県民クラブ・公明」の幹事長になりました。
今回「あなたと共に歩む」と掲げ3期目を狙います。
と、いうわけで、公明党公認ではないですが、POINTで取り上げた「県民クラブ・公明」所属の現職です。 過去2回選挙はいずれも3位当選で、支持団体に裏打ちされた安定した成績を出しています。 よって、この方より多く票を獲れば当選確実、獲れなければ当落線上のピンチとなる可能性が高く、「M-1グランプリ」で1番目に漫才をするような “基準点” となる候補と言えそうです。
選挙運動を候補のSNSで追ってみたところ、かつて秘書としてお仕えしていた柳田佐久市長が何度も応援に入り、更に地元選出の国会議員で「自民の」井出庸生衆院議員も何回か応援に入っている模様が写っていました。 自民候補に配慮したのか「井出衆院議員が来た」という旨の名前を出した書き込みは無かったものの、
トレードマーク、且つ選挙現場に不釣り合いなオレンジのダウンジャケット姿の男性なんて、井出氏しかいません(笑)。
それにしても、かつての秘書である柳田佐久市長が応援に入るのは分かるとして、自民党の議員で佐久市の名士である井出家の人間が、自民党公認候補が2名いる中で非自民公明系会派の小山候補の応援に入ったというインパクトは大きかった(前回選挙の時、井出氏は民主系議員)のではないかと思われます。
選挙公報はコチラ。 多方面の政策を押さえた安定感ある内容です。 果たして、小山候補の獲得票が、結果を左右するコトになるのです。
◆藤岡 義英(ふじおか よしひで)候補
藤岡候補は大阪府出身。 信州大学卒業後、住宅関連会社勤務を経て2007年の県議選、2010年の県議補選に出るも落選。 それでも2011年の県議選で初当選し2期8年務めますが2019年に113票差で落選。 4年間の浪人生活を経て今回「再び全力」を掲げ初当選を目指します。
落選した年の夏に台風19号災害(PDF)が佐久市にも被害を出し、被災地域のボランティアにあたるなどの地域活動に取り組みながら4年間他の選挙にも出ず(参院比例などに出てもおかしくなかった)、満を持しての再挑戦です。
1期目は2位当選、2期目は自民公認候補に競り勝つという実績も有り、今回の相手も「自民2名 vs 非自民/立憲系1名 vs非自民/公明系1名」という面子で、立憲系の議員がそこまで左派寄りではない(後述)コトもあって左派リベラル層からの票を集めて当選する可能性は充分に有ります。 ココは負けられない戦いです。
期間中、小池晃参院議員や山添拓参院議員が応援に入るなど党中央からのバックアップも厚く、SNSの発信も積極的だったので、まさに「再び全力」で挑んだ選挙戦だったかと思われます。
選挙公報はコチラ。 共産候補が地方選挙においても国政案件ばかり訴えてしまうコトを私は「共産しぐさ」と呼んでいますが、それらも有りつつ地域の問題も取り上げているのは4年間の浪人期間の賜物でしょうか。
特に「佐久創造館の存続」については、県内に佐久市と飯田市に有る県立の文化芸術交流施設なのですが県が二つとも事業打ち切り → 閉鎖する計画が有り、それを存続させようと訴えているのです。 他候補が訴えていない案件ですし文化施設の存続は大切なコトなので、是非とも頑張っていただきたいものです。
万事尽くした選挙戦。 あとは有権者の判断を待つのみ・・・
有料部分では取材できた候補を中心に紹介します。 残りは自民2候補と非自民/立憲系の1名です。
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