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選挙結果振り返り(2024 9.22投票)


「サスガにこの選挙を落とすコトは無いとは思いますが、、、」

と、先週書きました。 なまじっか選挙を見ていると「常識バイアス」にかかってしまうコトが有ったりしますが、まさかそれが、この選挙で発動するとは・・・

 先週と今週の選挙、及び出来事は、後日振り返るコトになるであろう「分岐点」になる気がしています。 まずはしっかり、見ていきましょう。 「歴史の目撃者」となるために。




◎神奈川県・座間市長選挙

 2期目を目指す現職に市議を5期務めた新人が挑む一騎打ちは現職が2選を果たしました。

「新人は日産自動車出身で労組系の支持基盤を持っていますが、同時に自民神奈川県連の副幹事長を務めているという、広いウイングで票を集められそうな経歴を持っています」

と先週書きましたが、内実はどうも違っていたようで、連合は現職を支持していて、自民も新人と(元自民の)現職とで支持が割れ、更に座間市がお膝元の甘利明氏は両候補に為書きを出し、現職の事務所開きにも顔を出して挨拶していて、最も熱心に新人を支持していたのは維新だったというオチ。 新人のウイングは広そうで相当狭かったというコトになります。

 と、いうワケで、2.5倍の得票差をつけて現職の圧勝。 事務所には為書きが近隣首長や前述の甘利氏、立憲の太(ふとり)栄志衆院議員や牧山弘惠参院議員などの為書きがズラリと並んでいたのでした。


◎神奈川県・座間市議会議員選挙(定数22/31)

 現職18人、新人13人が立候補し、党派別では自民が5人、公明が4人、共産が3人、維新が2人、立憲と神奈川ネットワーク運動(地域政党)と諸派が1人ずつ立てた、女性候補8人の選挙は現職2人、新人9人が落選。 女性候補は6人当選しました。

 まず冒頭に触れなければなりませんが、 “ステルスN国” が当選してしまいました。 しかも、7位で。
 爽やかな作り笑顔で駅前に立ち続けたのがまたしても功を奏したようですが、どっかでこのスキームを崩さないと更に繁殖しちゃいますね。 シャレにならんわ・・・

 その他の党派は全て議席を維持しました。 が、議席増を狙った共産が1候補落選。 共倒れしなかっただけヨシとすべきでしょう。 当選した候補も16位17位と下位なので、下手したら共倒れする可能性も有りましたが、それはなんとか回避です。

 そして、2人目の議員誕生を目指した維新は、現職がブービー当選で新人が次点。 議席増失敗です。

(統一地方選後の維新南関東ブロック内戦績)
(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 票割りが下手くそでお馴染みの維新なので、一方の候補に票が偏ったせいでもう一方が落選、なんてコトは過去に有りましたが、今回は両候補の順位が近いので単純に座間市における維新の勢力が弱いというコトを示しただけの結果です。
 なお、改選前に維新現職と会派を組んでいた無所属議員も落選しており、会派の勢力を維持するためには当選した無所属議員から新たに組む人を探さなければならなくなりましたが、昨今の状況及び市長選で独り負けした維新と組む議員は見つかるでしょうか。


◎神奈川県・伊勢原市長選挙

 3期務めた現職が出馬せず、3期務めた市議を辞して挑む人と、月イチで市民によるマーケットとステージイベントをミックスしたイベントを主催している食べ物屋さんを運営する人の一騎打ちは、元市議が初当選を果たしました。

 元市議が自民と立憲が推薦を受けるのに対しイベント主催の人は選挙初挑戦で草の根選挙を展開、というコトで大体察しがつく構図で、果たしてとリプスコア近い大差でその通りになりました。
 投票率も32.61%と低調で盛り上がりに欠ける選挙だったようで、市民の関心はそれよりも、

 市内に建てられている、今回勇退した現職を批判する「高山謝罪しろ!」と書かれた看板がどうなるか? に集まっているようで、SNS上では早くも「萩原謝罪しろ!」という言葉が飛び交っています。 後継候補とはいえ、当選したばかりの新人が何をしたというのさ・・・


◎大阪府・摂津市長選挙

 5期務めた現職が勇退し、府議を2期途中で辞して挑む人と、市議を4期途中で辞して挑む人、そして共産推薦の人の3人で争った選挙は元市議が初当選を果たしました。

 現職が非維新市長だった摂津市で、維新は当初候補者擁立を目指し公募を実施し絞り込みまで終えていましたが、公募に漏れた大阪維新の県議が離党&辞職し市長選出馬を表明したコトで維新は混乱し、新たに擁立しても元県議と票が割れてしまうとして公認候補擁立を断念。 離党した元県議とは完全に仲違いし、何なら自民系の元市議に肩入れしていたようで、そうなれば現職の後継の元市議に負ける要素は無く、元府議にダブルスコア近い差をつけての圧勝。 「林英臣政経塾」三期生(参政党の神谷独裁者代表と同期)の首長が誕生したのでした。

 そして、この元府議が次に紹介する選挙にも関係します。

 なお、この選挙には共産推薦候補も出ていましたが得票率15%で惨敗しています。 これに対して支持者がSNSで「惜敗」と書いていましたが、変に美化しない方がイイと思いますよ。 そういう表現で結果と正対し続けなかった結果が現在の党勢だともいえるので・・・


◎大阪府議会議員補欠選挙 摂津市選挙区(定数1/4人)

 市長選出馬のために辞職した人の後任を決める選挙で、2期途中で市議を辞して出馬した大阪維新公認の人と6期途中で市議を辞した人、共産党公認の新人に3回連続で府議選を落選した人の4人で争った選挙は、無所属の元市議、森山候補(後述の説明がややこしくなるので名前を出します)が初当選を果たしました。

 市長選に候補を出せなかった大阪維新は県議会の議席維持のために全集中しており、大阪の国会議員や市議会議員を動員しまくっていたにもかかわらず、敗れてしまいました。

 投票率が今回より4ポイント高いコトを考慮した上での比較となりますが、大阪維新の票が昨年の本選から半減しています。 この結果は衝撃すぎます。
 所属議員が不祥事を起こしても大阪万博の体たらくが露呈しても大きく揺らがなかった維新の牙城が、斎藤元彦兵庫県知事の件で遂に崩壊しようとしています。 知事の “サイコパス” っぷりがこれだけ全国ニュースで報じられたら岩盤支持層以外は票を投じなくなりますよね。

しかし、それにしても、ビックリだ・・・

 当選した森山候補はは一時期、民主党~日本維新の会に所属していたようですが現在は無所属。

「調べても何処かしらの政党や組織が支援している様子は見えなかったため、」

と先週書きましたが、実は陰で自民が支援していたようで、

渡嘉敷奈緒美氏twitter-X より引用)

この通り自民は満面の笑顔。 維新の県議と市議を1人ずつ削るコトに成功したので万々歳でしょう。
 ただ、忘れてはいけないのは、斎藤知事を擁立したのは維新(松井一郎氏)ですが、当選したのは自民の一部が彼を支持したコトが大きかったという事実。 「製造者責任」の一端を担っているのに知らんぷりしてヘラヘラしてんじゃねーよ! と私は思っています。

 さて、県議を辞して市長選に出たせいで維新の議席をひとつ減らすコトに貢献した元大阪維新の中川氏(コチラも名前を出します)ですが、某選挙結果解説動画によると今回県議選に当選した人が維新を離党したのは、

2015年に維新所属で摂津市選出の山本氏が泥酔騒動を起こし、「4年後」の県議選に出馬しようとしたら当時市議だった中川氏が県議選に出馬してきたため山本氏は摂津市から出られなくなり(旭区から出馬→落選)、それに異を唱えた(今回の県議選に当選した)森山氏が離党したという経緯が有るそうです。 中川氏は議席を空けたという直接的な要因だけではなく森山氏が県議に当選出来た遠因になっているとも言え、中川氏は摂津市の維新をクラッシュさせた張本人だといえるかもしれません。

 多方向から膿がふきだしたような維新の現状。 候補者を “質より量” で擁立しまくったツケが来たと言えるでしょう。 さぁ、ここから巻き返すコトは出来るのか。

 そういえば、今日某党の代表選で当選した人は維新に友好的だった気がしますが・・・


◎広島県・府中町議会議員選挙(定数18/21人)

 現職12人、元職2人、新人7人が立候補しており、党派別では公明が2人、共産が1人立てている、女性候補2人の選挙は新人3人が落選。 女性候補は2人とも当選しました。

 市長選に立候補して落選した元職(自民系と共産)が返り咲き、新人7人のうち男性で年上から3人が落選です。 元職を含めれば前回当選した14人が続けて議員を務める形で新陳代謝はあまり進まなかったようですが、落選した新人のうち2人は票数から見て端から勝負にならない候補のようなので、仕方ないですね。



以上です
候補者の皆様の御健闘をお祈り申し上げます


「選挙結果振り返り」テーマ曲
ギターパンダ / 選挙に行ったけど



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