俺の完璧な彼女
俺の彼女はわがままだ
それでいて可愛い
でもわがままだ
まぁわかってて手を出したのは俺なんだけど
「ねぇ」
「ねぇ」
「ねぇ〜ジョニー〜」
『何、聞こえてるよ』
「じゃぁ返事してよ」
『つーか、ジョニーって何だよ名前で呼べよ』
「皆んな呼んでるじゃん」
『2、3人だろ』
ドサッ
だるそうに喋りながらベッドの上で
俺は彼女を押し倒す
蒸し暑い7月の休日
『つーかあちぃ。クーラーつける?』
「ねぇ、アイス食べたい。」
押し倒された状態を気にせず照れもせずに、自分の欲求を直球で伝えてくる。
いや、俺はけっこうその気だったんだけど
『あとじゃダメなの?』
「今食べたい」
お盛んな年頃彼氏の事なんて気にしない、
まるで子供のようかワガママを言われて、俺は折れる。いつものことだ。
『じゃコンビニ行くぞ』
「うん♪」
立ち上がる俺に、ぴょんとついてくる彼女。
ずるいんだよ
『あとで また押し倒すから』
「へへっ」
俺の彼女はワガママで…それでいて可愛い
『今日は俺もチョコミントにしよ』
「あ、私はアイスモナカにしよっと」
『お前いつもチョコミントじゃん』
「今日はモナカの気分〜♪」
『欲しいって言ってもあげねーかんな』
コンビニから部屋に帰ってくるやいなや、速攻で俺の持ってるコンビニの袋から自分のアイスを取り出してその場に座って食べ始めた。
俺も座ってチョコミントのアイスを食べる
それを見てた彼女は隣に座って
やっぱりこう言った
「チョコミントも食べたい」
『・・・』
俺は黙って食べかけのチョコミントを渡す
ずいぶん嬉しそうに食べるのな
だから言ったのに
まーそう言うと思ってたけど
別にいいよ
この後お前のこと食べるし
「ありがとう♡美味しかったね」
『…口にアイス付いてるぞ』
子どもかよ
口についてるアイスを指で拭いてやると
彼女は俺の顔を覗き込んでこう言った
「ねぇ?」
『あ?』
「さっきの続きシよ?」
『ッお前…ほんとむかつく///』
子どものくせに
こーゆう時だけ大人になって
今度は俺から奪いにいくつもりが
結局お前から欲しがってきて
手のひらで踊らされてるのは俺かよ
『優しくなんかしないからな』
「ふふっ///いいよ♡」
俺の彼女は子どもではなく魔性だ…
ずっとこうやって男を騙してきて
俺もその中の1人と思ってるのかも
その身に染み付いたワガママも
その直後の屈託のない笑顔もむかつく
だけど
世界で一番、俺がお前にはまってるよ
重ねた唇からは俺の気持ちとは真逆の
爽やかなミントの香りがふわっとした
💜end💜