妄想が未来をつくるんだ! というお話
妄想 → 構想 → 企画 → 計画
という流れが今も、昔も、私の基軸なんですが、妄想が大事!と思う面白い記事を見つけたので、シェアを
というフレーズがとっても気に入りました。インターネット初期、妄想が広がり、周りに言いふらす。その当時の勇気もさることながら、その昔話を現代でさらす勇気。これは、凄いなと。
調子にのって、私も昔話をさらしてみます。
私こそが、ブルーレイレコーダーの生みの親なんです!
まあ、そんなこと誰も信じないと思いますが。私が会社員時代に社内で最初にこのアイデアの原型を発表したのが、1993年。何か新しい企画をプレゼンしてみよう、という社内コンテスト風のイベントでした。
テレビリモコンの「番組表」ボタンを押すと、画面に番組表が表示される
番組を選択して、録画予約
録画リストから選んで、ランダムに再生
オススメ番組が出てきて、そこから予約できる
オススメ番組のパッケージが複数並んでいて、自分好みのリストを選べる
有名人が予約した番組リストが公開されていて、同じ番組を予約できる
今では普通にある風景ですが、これは約30年前に私がプレゼンしたアイデアです。最後の有名人の予約リストはいまだに実現していない。コンテキストのブランド化と呼んでいた、斬新なアイデアでした。
数人に面白がってもらえましたが、半導体部門に所属していたこともあり、商品化には至らず。3回コンテストに応募しましたが、そのままお蔵入りとなりました。
でも、あの頃の噂が巡り巡って、ブルーレイレコーダー、その前進のDVDレコーダー、ハードディスクレコーダーにつながったのだと。そういう妄想もありかな、と思いました。
技術はなくても、コンセプトは描ける!
当時のテレビに、「番組表」ボタンなんかありません。海外では多チャンネルのケーブルテレビが普及していて、番組表(EPG)機能はありましたが、まだ原始的で使いにくいものでした。「番組表」がインデックス情報、インターネットのURLに相当する部分だという着想が画期的だと自負しています。
当時使える記録メディアはVHS(テープ)です。ランダムアクセスはできませんが、インデックス機能で、頭出しはかろうじてできた。ソフト次第では、疑似ランダムアクセスができるかな、と妄想しました。
※その後2000年前頃に、光ディスク(レーザーディスク)やハードディスク(HDD)がメディアに使えるとわかりました。技術は後からついてくるんだな、と。
インターネットも普及していない時代なので、番組表(EPG)は放送に乗せて送ることを考えました。当時は、アナログテレビなので、文字多重放送(VBI領域)に番組表のデータを載せることを検討しました。技術的にはできそうでした。
※現在はデジタルになってEPGが放送システムの根幹になっています。
あとは、サービスとしてパッケージングするだけ。
テーマは、「放送時間からの解放」です。
当時は夢物語と言われましたが、現代では録画して見る、放送時間に縛られない視聴スタイルが普及しています。
今でもメディア側は生活者の時間をコントロールしたい。番組編成に命を懸けている人は多いと思います。しかし、時間の主導権は生活者の方に移っていく流れは止められないと30年前に確信していました。
コンテンツの再編集はインターネットで普及した
その後、放送系に詳しい人とも議論しましたが、業界にどっぷりつかっている人には、放送時間・番組編成を崩壊させるアイデア(録画視聴を前提とした放送)は到底受け入れがたいものでした。既得権益を手放す動機が見つからないとのこと。業界内から変革するのがいかに難しいか、外圧、異端児の必要性を思い知りました。
放送業界は、あくまでも放送時間に拘った。今はインターネットでのオンデマンドサービスを始めていますが、YouTubeが完全に先を行っている。
そういえば、YouTubeの再生リスト機能が、私が妄想していた最終形に近いかもしれません。あとは、放送コンテンツを自由に再利用できるように著作権管理ができればいいのですが。
30年後の未来を妄想する。
考えているときは、すぐに実現できそうと思っているのですが。実際には、かなり時間がかかることもある、と昔話を振り返りながら、再認識したしだいです。
今日はこんなところで~
この記事を書いたのは、
もうそうビズ企画 代表 川原茂樹
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