第16作目「14の夜」
【たかはC】
鑑賞作品
「14の夜」(2016)
監督:足立紳
<あらすじ>
1987年の田舎町。中学生のタカシは、ずっと家でうじうじしている父親がカッコ悪くて嫌いだ。今日も婚約者を連れて帰って来た姉に対して情けない態度で見ていられない。町を歩いてるとすぐ絡んでくるヤンキーたちも鬱陶しいし、隣に住む幼なじみで巨乳のメグミがちょっと気になっている。そんなどうにもならない悶々とした日々を送っているタカシが柔道部の仲間たちと入り浸っている、町に一軒だけあるレンタルビデオ屋があった。そしてそこにAV女優のよくしまる今日子がサイン会にやって来るという噂が聞こえてきて…。予期せぬ事態、大騒動の果てにタカシはよくしまる今日子に会う事ができるのかーーー?
先週鑑賞した『シング・ストリート』は、1985年の14歳の話。
そして今回鑑賞した『14の夜』は1987年の14歳の話。
ちなみに私の14歳は、1989年。
まぁ、どちらも少しだけ上の世代の話だが、ほぼ同世代の話。
共感で言ったら、断然今回の『14の夜』のほうだった。
悶々とした14歳。子どもじゃないけど子どもな歳。悶々とした怒りというかパワーを何かにぶつけたいんだけど、そのぶつけるところすら間違っている感じ。そんな14歳たちが学校に集まってるんだから、そりゃ中学校って不思議な空間だなって改めて思う。
事の発端が面白い。町にあるレンタルビデオ店にセクシー女優がサイン会に来て、深夜0時を過ぎるとおっぱいを揉ませてくれるという噂から、14歳たちのそれぞれの心がかき乱されていくのだ。
深夜0時にレンタルビデオ店に向かうにはそれぞれの家の事情があって、それぞれが抱えている悩みがあって、自分の弱さとかもあるんだけど、内容は軽いモノではない。でも、目的はセクシー女優というくだらなさ。
あと、こんな噂が広まるのも中学生の無知というか、でもちゃんと世の中に対して純粋に夢を持って生きていた年齢だったなっていう懐かしさもある。
監督と脚本を担当しているのは、『100円の恋』でアカデミー賞の最優秀脚本賞を受賞している足立紳さん。こういうどこにでもいる人物の怒りというかパワーを描く感じが自分的にはかなり好みだ。
俳優陣も芝居が上手かった。中学生たちはオーディションで選ばれたらしいのだが、全員上手かった。周りの大人たちも実力派がそろっているのでキャストが素晴らしい。
カッコ悪いというキーワードが出て来るのだが、自分を振り返ってみて、ずっとカッコ悪いなって思う。それが一番の共感かもしれない。
しかし、エロのパワーはすごい。
という事で・・・
「14の夜」(2016)
オススメ度
★★★★★★★★★☆
次回予告
オクジャ(2017)
監督:ポン・ジュノ