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第18作目「透明人間」
【たかはC】
鑑賞作品
透明人間(2020)
監督:リー・ワネル
<あらすじ>
富豪で天才科学者エイドリアンの束縛された関係から逃げることの出来ないセシリアは、ある真夜中、計画的に脱出を図る。悲しみに暮れたエイドリアンは手首を切って自殺をし、莫大な財産の一部を彼女に残した。セシリアは彼の死を疑っていた。偶然とは思えない不可解な出来事が重なり、それはやがて、彼女の命の危険を伴う脅威となって迫る。セシリアは「見えない何か」に襲われていること証明しようとするが、徐々に正気を失っていく。
「透明人間」というタイトルにいまいちそそられなかったが、監督のリー・ワネルを調べたらソウ(SAW)シリーズの脚本家と知る。それと共に期待値が上がった。
物語の冒頭を要約すると、
男の束縛から家を飛び出す主人公・・・そして男が自殺した事を知らされる・・・しかし、死んだはずの男の気配を感じる・・・そこから見えない男のストーキングが始まる・・・
という感じなのだが、主人公の演技力によって妄想を見ているのか、本当に透明人間がいるのかわからない。
さらに死んだはずの男が精神的に追い込みをかけてくるので、主人公の精神が徐々に壊されていく。そういう構成なので、やっぱり主人公が精神的に追い込まれて見ている妄想なのかな??と疑いながら観てしまう。いい意味で。
カメラワークも面白かった。
透明人間の行動をイメージさせる画角というか映像の余白に恐怖を感じる。
そして何より、『透明人間=透明になる薬を開発』という古典的なモノではなく現代版の透明人間だったのが見ていて入り込めた。
テクノロジーによる透明人間という事で、勝手に制作費がかかっていると錯覚してしまったが、実際は低予算の映画らしい。
よく考えたら透明なんだからCGも使わずに済むわけだ。
お金はかかっていないけど、設定が現代版というだけで安っぽく見えない。
だからこそ、主人公の演技力が大事なんだけど、そこは本当に素晴らしかったと思う。
一つ気になったのは、男が主人公の女性をストーキングするようになった過程をもっと描いてほしかった。
そんなモノはいらないのかもしれないけど、そりゃ束縛しちゃう気持ちもわかるなってところがほしかった。
んー、いらないのかな? どうだろう??
という事で・・・
透明人間(2020)
オススメ度
★★★★★★★★☆☆
次回予告
岬の兄妹(2019)
監督: 片山慎三