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第9作目「幸せなひとりぼっち」
鑑賞作品
「幸せなひとりぼっち」(2016)
監督:ハンネス・ホルム
半年前に妻に先立たれた59歳のオーヴェ。彼は毎朝決まった時間になると、近所をパトロールしている。秩序が保たれているか監視しているのだ。ルールを守らない者がいれば怒鳴り散らす。そんな偏屈でおせっかいなオーヴェを近所には変人扱いする人もいる。ある日、オーヴェは仕事を解雇されてしまう。絶望的になったオーヴェは、妻の後を追おうとするのだが・・・
オーヴェは何度も自殺をしようとする。
しかし、なぜか毎回誰かに邪魔をされてしまう。
そんなコメディ要素も面白かったのだが、それよりもオーヴェが死のうとするときに見える走馬灯のような人生の振り返りがグッとくる。
両親との別れから見える悲しい背景。
妻との出会いでもわかる不器用なオーヴェ。
なぜ、オーヴェがルールを守らない人を許さないのか・・・
合間合間で入って来るその振り返りで、少しずつオーヴェという男を理解していく構成になっている。
その構成が面白かった。
気が付けば偏屈な男を愛すべき男として見てしまっている。
ストーリーの中でも、そんなオーヴェの事を誰も理解していないわけではない。
昔からのご近所さんも実は理解していたり、隣の家に越してきたファミリーも少しずつオーヴェという男の優しさに魅せられていく。
やがて、妻の後を追おうとしていたオーヴェも、少しずつ自分を取り戻していく・・・悲しい過去があっても、今を生きる事が大事なのだ。
この作品、スウェーデンの映画なのだが、空気感がすごく良かった。
という事で・・・
第9作目「幸せのひとりぼっち」
オススメ度
★★★★★★★★★☆
次回予告
「ワールド・エンド 酔っ払いが世界を救う!」(2013)
監督: エドガー・ライト