新米刑事と出会う
ご無沙汰しております。久方ぶりの投稿です。
前回投稿したのは、なんと2月22日!猫の日でした。
あれからこの2ヶ月何をしていたかといえば、とある素晴らしい出会いがありました。
この方です。
早い話、イギリスの犯罪TVドラマにハマっておりました。
前々から思っていたことですが、イギリスのTVドラマって面白い。一度シリーズにハマったら抜けられません。最後まで見なきゃ死んでも死に切れない。そんな気持ちで過ごした2ヶ月でした。
このドラマ「刑事モース~オックスフォード事件簿」は、全部で9シーズンあって、1シーズンごとに4エピソードあって、1つのエピソードが1時間半もあるんですよ!
さすがイギリス、アメリカのTVドラマみたいに45分では事件は解決させません。
見始めたはいいものの、先は長いなあと思っていましたが、あっという間でした。毎日見てましたからね。
今回わたしを虜にしたのがショーン・エヴァンス演じるモース君ですが、モースと言えば、海外TVドラマを見たことある方は「主任警部モース」の方をまず思い浮かべると思います。多分BSでも昔流れていたような気がします。青い目の銀髪のおじさんが活躍するドラマでした。
ただですね。わたしはこの「主任警部モース」の方はあまり見てなくて、謎解きの腕はなかなか興味深いのですが、正直あまり面白味を感じなくてハマる以前の問題でした。
なぜか?
たぶん、モースおじさんが好みじゃないんです。
そして今回ハマった「刑事モース~オックスフォード事件簿」は、このモースおじさんの駆け出しの頃のお話となります。
なので、新米刑事モースと紹介されていたりします。
彼が活躍するのはイギリスの南イングランドにある都市オックスフォード。このオックスフォードという街がこれまた古くて趣のある建物ばかりで素敵なんです。(行ったことないけど)ドラマを見ただけの印象を語っております。
おもちゃ箱をひっくり返したようなロンドンとは対照的な落ち着いた雰囲気の都市で、カレッジがたくさんあるせいか登場人物も嫌味なほど知的な人が多く、そんな人たちに対抗するモースの言葉の返し技も見ていてワクワクします。
そして、このドラマの醍醐味のひとつがその時代背景。
シーズン1では、確か1966年頃から描かれていると思いました。1960年代と言えば、ヨーロッパのみならず日本でも時代が大きく変わった時でした。1968年にはフランスで五月革命が起きています。ビートルズを筆頭に60年代に現れたミュージシャンたちは皆格好良かった。ミニスカートの流行、サイケなファッション、タイトなスーツをキメこむ紳士達とは対照的な長髪のヒッピー達の出没、ドラッグの流行、加えてこの時代重要だったのが女性の自立。
このドラマもそんな時代背景が素敵に再現されています。大学を出ても家庭に収まりたくない、男性に頼らず生きていく女性たちが凛々しくもあり、男性たちはそんな女性たちを受け入れつつも複雑な面持ちで見守っている。そんなドラマ。
細部にこだわって「あの時代」を描くことが、このドラマを制作していく上での目的のひとつでもあったような気がします。
「刑事モース~オックスフォード事件簿」の原題は「Endeavour(エンデバー)」。エンデバーはモースのファーストネームだそう。
余談ですが、「主任警部モース」時代の相方だったルイスが後に警部になり、スピンオフシリーズとして制作されたのが「オックスフォードミステリー・ルイス警部」。
こちらの方もざっくりと見ましたが、主役のルイス警部より、相方のハサウェイ刑事の方が個人的には面白くて好き。ケンブリッジ大卒の聖職者崩れの変わり種で、どんな時でもクールにやり過ごすハサウェイが、すぐ熱くなるルイスと対象的に描かれています。