グレイス弦楽四重奏団の演奏会
名古屋市の室内楽コンサートのメッカである電気文化会館へ行きました。
グレイス弦楽四重奏団は広島交響楽団のメンバーで結成された弦楽四重奏団です。
宗次ホールの弦楽四重奏コンクールでハイドン賞を受賞しています。
名古屋公演は今回が初めてです。
弦楽四重奏曲は好きな編成で弦楽四重奏のコンサートは20代の頃から好きでいろいろと聴いています。
弦楽四重奏曲のコンサートを聴きたいなと思ったところでいろいろと探してみて今回のコンサートがあることを知りました。
今回の曲目は音楽ホールで聴くのは3曲とも初めてです。メンデルスゾーンとハイドンの曲は昔からCDでは聴いていた曲であり、かなり好きな曲ではありました。
メンデルスゾーンもハイドンもそうですが、特定の曲は人気があって演奏会でもよく取り上げられますが、今回の曲目はあまり取り上げられない曲だけに価値のあるコンサートだなと思います。
⬛️メンデルスゾーン弦楽四重奏曲のための4つの小品
変奏曲、スケルツォ、カプリッチョ、フーガ
の順で演奏されました。
カプリッチョはやっぱり神ですね。
メンデルスゾーンならではのファンタジーで最初の小節からとりこになります。古今の小品の中でも絶品です。
さらに最後の4曲めのフーガ。
これまたすごい。
演奏会だと視覚的に見ることができるので、どういうフーガなのかというのが目で確認できました。
変奏曲、スケルツォもすばらしいですが、カプリッチョとフーガは感動でした。聴けてよかったです。
⬛️バツェヴィッチ弦楽四重奏曲第4番
この曲は今日が初聴きでした。
バツェヴィッチは20世紀に活躍したポーランドの女性作曲家です。
現代音楽っぽい前衛的なところもありますが、美しい旋律もあっていろいろ楽しめる曲でした。
好きになりそうな曲でした。
20世紀の音楽というと難解なので毛嫌いする人も結構いますが、自分も昔はそうでした。最近は好んで聴くときもあるぐらいになりました。
バツェヴィッチの弦楽四重奏曲、機会あればCDとかも探してみようと思います。
⬛️ハイドン弦楽四重奏曲第75番
ハイドンの弦楽四重奏曲の6曲セットの集大成のエルデーディ四重奏セットのひとつです。
76番「五度」77番「皇帝」78番「日の出」79番「ラルゴ」と名前がついている曲が人気あるので、75番はあまり目立ちませんが、実はこの中でもエース級と言ってもいいぐらいの充実感のある内容を持った曲だとは思います。
グレイス弦楽四重奏団はこの曲で宗次ホールの弦楽四重奏コンクールでハイドン賞を取ったみたいです。
先のメンデルスゾーン、バツェヴィッチのときと第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンを入れ替えました。
第1楽章の開始でチェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリン、第1ヴァイオリンと楽器が音を引き継いでいくのがいいですね。演奏会で音楽を聴くというが、視覚的に見えるものが大きくて演奏会で音楽を見るともいいますね。第1楽章は気品があり、バロック音楽のような響きの部分もありますね。
個人的には第2楽章が好きで、ハイドンの弦楽四重奏曲の歴史を考えると作品64(エルデーディ四重奏セットは作品76)で緩徐楽章が瞑想的になって芸術性がアップしているかなと思います。
第4楽章がまたいいですね。かっこよさと楽しさが同居しているのでいろいろ楽しめますね。
ハイドン、楽しめました。
⬛️映画ひまわりの主題歌
アンコール曲は映画ひまわりの主題歌を弦楽四重奏曲に編曲したものでした。
戦争には心を痛みます。世界の平和への願いを込めて聴きました。世界中の国が手をつないで生きていくような平和な世の中が訪れるのはいつの日になるのか。
グレイス弦楽四重奏団、広島から名古屋に遠征して演奏会を開きましたが、すばらしい演奏会でした。
また名古屋に来る機会があったら聴きに行こうと思います。