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「社会人三年目です」と彼は言った。

「社会人3年目です」と彼は言った。

不思議な感覚を覚えたのはきっとこの時だと思う。

彼はこう続けた。

「社会人になると学生の頃よりいろいろ大変なことが多くて。」

きっと「会社員」のことだろうと思う。そういった文脈でこの言葉はいつも用いられるから。

「学生」と「社会人」

就職活動などで用いられるこの区別に、なんとなく違和感を覚える。

「社会人」ってなんだ?

この違和感ってなんだろう。彼が何を言おうとしているのかが分からないわけではない。彼はただ、彼が思った通りに話しただけなのだ。そう分かっているからこそ、なおさらこの疑問は僕の中で駆け巡ったのだと思う。

彼の中で想定されていた、直線的な生き方に僕が違和感を持っているのかもしれない。

彼は「学校に通い(大学まで進学して)会社に勤めるようになり、定年を迎えて老後を暮らす」という”一般的”な暮らしを想定しているのだろう。その文脈に立脚すれば、彼は何もおかしなことを言っていないことになる。

人はみな同じである、という立場に立脚すれば。

人は皆同じなのだろうか。そうだとも言えるしそうじゃないとも言えるだろう。

生まれた時間も環境も持っている名前も違うのだから、人は違うに決まっている。しかし一方で、ヒトである、という意味で同じなのだ。


「学生」:学校に通っているヒト
「会社員」:会社で働いているヒト
「社会人」:「」

この空白は今の時点では埋まりそうにない。

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mou_ciel
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