大人になっても信頼関係を築ける人に育てるために必要なこと
「皇室外交」を読んで気づいたこと
「皇室外交」という本を以前、読んだことを思い出しました。この本を読んだ時、あることに考えを巡らせて、育児にも関わる気づきを得たことを記録しておきたいと思います。
なんせ、結構前ですから、引用はできないし、不正確であやふやな記憶もあるのですが、あえて読み直しせず、記憶に残っているママで書こうと思います。
結論から言うと、
「若いころ苦労しないと、大人になってから人と信頼関係を築くのは難しい」
「苦労や何かを克服した経験、重圧に耐えて乗り越えた経験と言うのはそれ自体も価値があるが、それらは信頼関係を築くツールになる」
と言うことです。
数年に一度しか会えない相手と築ける関係性って?
「皇室外交」と言う本には、今は上皇になられた明仁様と美智子様のお話や、現天皇や雅子さまの話もあったかと思います。そこには、天皇家の方々の、国を背負い、歴史を背負い、自由とは程遠い生活の中で真摯に自分に課せられた責任に向き合う姿が描かれていました。
そして、世界格好の方々との交流については描かれていたのですが、オランダやタイ、イギリスなど、他の皇室の方々との交流は、普段見ることのない世界のことで、大変貴重な話を読み取ることができました。
そんな中で、明仁様、美智子様、徳仁様、雅子様皆様が、各国の皇室と強い信頼関係を築き、想像を絶するプレッシャーの中で特には海外の皇室メンバーと支え支えられながら過ごしている様子が印象的でした。
が、最初に読んだ時は、「数年に一度しか会えないだろうに、そんな相手と信頼関係なんかあるかしら?」と言う発想が、私にポッと浮かんだのです。
「日本は欧米に迎合しているから信頼があると思っていても、相手はそう思ってないんじゃないの」なんて卑屈な思いとともに。
信頼関係に会った回数は関係ない
では私が、今信頼関係を築くとしたらどんな相手だろう。
今も信頼できる親密な友人はどうしてそれを継続できているのだろう。
と考えた時、すぐに最初に浮かんだ発想は間違いだったと気づきました。
「あ、すぐに意気投合したり、ウマが合うのは、同じ苦労やプレッシャーを経験したことある相手かも」
そうなんですよ。
信頼関係って、必ずしも一緒にいる時間の長さ、会って話した時間の長さではないんですよね。毎日会社で顔を合わせて毎日朝会で必ず10分話してたら信頼するかって、それだけじゃ信頼しませんよ。
大人になると、顔見知りになってそのままの関係性、なんてことも珍しくないです。
一方で、意気投合して、一気に仲良くなることもありますよね。
ちょっとした雑談をした時に、ふと、同じ境遇を知る。
浪人経験があるとか、難易度の高いプロジェクトに抜擢されてプレッシャーと戦いながらなんとかやり抜いたとか、家族とうまくいっていないとか、お金持ちとして生まれた故の悩みとか。
そうするとグッと距離が近づいて、深いところで、親密さが増して、お互いに内面を話すようになったりして、それが呼び水になって、他にもいろんな話をしてみたいと思うようになり、徐々に信頼関係が増すもの。
そこで気づきました。
皇室として生まれた重圧、責任、苦悩を、他に理解できる人は、皇室の人間として生活する人たちだけ。と言うことは、皇室の人同士は、国や文化が違っていても、大して会ったことがなくても、話したことがなくても、もっと頻繁に顔を合わせているだろう宮内庁の人間を始めとする一般人には到底理解も想像もできない経験をお互いが持っている、ただそれだけで、信頼関係を築くに値する関係性になれるのだと。
皇室の人にとって、そう言う関係性は、絶対に、一般人とでは築けない、と言うこと。
当たり前と言えば当たり前ですが、最初に浮かんだ発想をすぐに打ち消すと共に、思いの及ばなかったことが少し恥ずかしくもなりました。
可愛い子には旅をさせよ
さて、私は母です。
ここで自分が得た教訓は、「娘に大変な思いをさせるまい」「娘には極力、楽して生きていけるようにしてあげよう」と言うことを最優先にするのは絶対にしてはいけない、と言うことでした。
もちろん、苦労がないと友達ができないと言う訳ではないし、本人が嫌がることを経験させる必要はないし、苦労ファーストで虐待万歳なんてとんでもないです。
そうではないけれど、これから先、娘に何かをしたいと言う気持ちが芽生え、何かに夢中になれる環境を与えることを最優先に、そして、娘が何かを頑張ろうとする時、楽に乗り越えられる方法や苦労させないことを考えてはいけないな、と思います。
むしろ、課題を自分で乗り越えるだけの力をつけられるように。
悩みを抱えた時に、ちゃんと向き合えるだけの胆力をつけられるように。
それがきっと、大人になった時、社会的に恵まれた人間関係を築くのに役にたつから。
とまぁ、結局は「可愛い子には旅をさせよ」「若い頃の苦労は買ってでもせよ」なんて言う古臭い教訓に落ち着いたのでした。
おすすめです。