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yokoichi
「日本人の半数が年収300万円以下、それでも資産形成を進めろの無茶ぶり」という記事の無茶ぶり
Twitterである記事がリツイートされているのが目に留まったので読んでみました。タイトルは『日本人の半数が年収300万円以下「預けるお金さえない」それでも資産形成を進めろの無茶ぶり』という内容。
内容は以下のような内容。
昔は銀行の金利が高かったけれど、今は雀の涙という内容から始まり、金融庁の統計によると会社員の平均給与は433万円、給与分布を見ると、300万円未満が44.9%。日本には、給与が300万円に満たない人が半数近くいる。そんな状況で、国は国民に資産運用を進めているが、預けるお金さえないのが現状だ。
突っ込みどころがありすぎて面白かったので突っ込んでみます。
まず給与分布を見ると300万円未満が44.9%→37.7%の誤り
【給与階級別分布】
100万以下:8.4%
200万以下:13.8%
300万以下:15.5%
~以下省略~
上の給与階級別分布を載せて年収300万未満が44.9%もいるといっているけれど、100万以下~300万以下の合計を足しても37.7%。
ちなみにこの統計の母数(給与所得者数)は5,245万人で男性3,077万人、女性2,168万人。
正規・非正規で見ると、
正規:3,483万人(66.4%)(男性:2,344万人 女性:1,138万人)
非正規:1,203万人(22.9%)(男性:372万人 女性:831万人)
※2か所以上から給与を得ている人は正規・非正規から除外(乙欄適用者)
「令和2年分 民間給与実態統計調査(国税庁)」
非正規の大部分+正規の一部(若年層・高齢者)が年収300万未満として考えたら37.7%は妥当ですね。
それよりは「5人に1人が非正規の状況で、資産形成を促すとは!その前に正規の増大を!」的な見出しにした方が適切かと…。
個人的には配偶者控除・配偶者特別控除・国民年金第3号制度などの就労を制限させるような制度を廃止して平均収入を上げさせる方がずっと国の為にもなると思います。